ザ・ライフ・オブ・ワタシ

平凡の中の華やかを

イギリスでの日々③

 クリスマス休暇を挟みテストやレポートも終わり、一学期が終了した。9月の半ばに到着してからもうすぐ4ヶ月が経過すると思うと毎度のことながら時の過ぎる速さに驚かされる。

 昨年末の紅白歌合戦が何やら騒がしかった。氷川きよしの紅白両組を代表したようなパフォーマンスやMISIAのレインボーフラッグを掲げてのパフォーマンス。未だに男女という枠組みにとらわれている国民的祭典の中でそういったことをやってのける彼らには感謝だし、それを許可したNHK側も凄い。確実に社会が変わってきているのだと思う。氷川きよしに関してはシルバー層への訴求力がとても高い方なので、アンケート結果などを見ていてもなかなか性的少数者への理解がいまいちな上の世代から変えていってほしい。2019年は日本国内でも耳を疑いたくなるような話題ばかりだったけれど、2020年はきっと明るいと思わせてくれる。

 恋人たちのクリスマスとも言うけれど、こちらではクリスマスは家族と過ごすのが基本。クリスマス休暇になるとイギリス国内はもちろんヨーロッパに実家がある子たちもほとんどみんな帰省する。自分は7人のフラットメイトとキッチンやダイニングルームを共有しているのだが、見事に全員が帰省し2~3週間ほどは空っぽのフラットだった。1000人以上が住んでいるはずの寮の敷地を歩いても誰とも会わない日々が続いた。かくいう自分もクリスマス休暇初日から9日間の旅行に。

f:id:the-life-of-watashi:20200114224408j:plain

 エディンバラ、ウィーン、ブダペストをまわる9日間。出会って3か月そこそこの友人たちと長い期間を過ごすことに少し不安はあったけれど、何事もなく楽しく過ごせた。周りに人がいてこそこういうことができるので、人間関係には本当に感謝。新しい出会いも少しあったり。旅行についてはまた別の機会に書こうと思う。

 旅行が終わってからもレポートを書かねばならなかったこともあり、それなりに忙しい日々だった。寮に戻った23日の夜にはKFCで日本式のクリスマスディナー。イギリス人の子たちに「日本ではクリスマスにKFCを食べるよ」と言うと十中八九で笑われる。「正月にはバーガーキングだよね」って言われる感じなのかな。あまりしっくりこないけれど。バレンタインにはロッテのチョコ、大晦日にはどん兵衛のそば、日本人ってそういうのが好きな気がする。プロモーションの功。24日にはフランス人の友人が作ってくれた夜ご飯を食べる。イギリス人の友人には「それはクリスマスディナーじゃない」と言われた。フラットメイトが作ったイギリス式のクリスマスディナーを食べたのでセーフ。25日にはこちらに残っていた日本人留学生3人で空っぽのフラットを使って飲んだ。酔いすぎたおかげでフラットメイトのボトルを割ってしまい、あとでFacebookで謝る羽目に。恥ずかしい動画も残ってしまった。人生は恥の上塗り。

f:id:the-life-of-watashi:20200114224757j:plain

 不思議なご縁で新しい友人ができた。日本人留学生の友人がTinderで出会ったポーランド出身の子。ふざけて自分が彼のTinderでメッセージのやり取りをしていたのだけど、二人が仲良くなったので紹介してもらった。近くにある日本料理店でアルバイトしている子で、たまに寄ると無料でカツカレーをくれたりする。嬉しい。年越しは別の日本人留学生の友人と、彼女と、その友人の香港人の子の四人で過ごした。年越しの瞬間は花火を見て、そのあと久々にクラブに行ったのだけど、何だかあまり気持ちが乗らなくて微妙な雰囲気になってしまった。ポーランドでは「年越しがあまりよくないと、その後の一年がいいものになる」と言うらしい。やったね。

 先週はテストの準備週、普段よりは少ないけど、テストに備えるための授業が幾つか。毎週月曜の夜は日本人サークルに通っているのだけど、友人に急に「一緒にピアスを開けに行かないか」と誘われる。大学一年生の頃に一時期ピアスをしていたのだけど、何となく閉じてしまった。実は少し前からまた開けたいと思っていたので、何だかこれは神様に開けろと言われているぞ、と思い「イエス」と即答。結局予定が合わずに自分だけ別日に開けに行くことに。日本ではピアッサーが主流だけど、こちらでは専らニードル。太い注射針が耳たぶに刺さる感じ。とても怖かったけど、1分もしない間にすべてが終わって肩透かしを食った気持ちだった。

 金曜日は一週間ぶりのナイトアウト。クリスマス休暇を挟んだので久々に会う友人が多くいて嬉しい。みんなでお酒を飲んだ後はお気に入りのゲイクラブに。そこに行くと大体いつも誰かに会うのだけど、今回も例に漏れず。最近は友人がアルバイトを始めた。ゲイコミュニティはいつもどこでも狭い。

 土曜日は友人宅でたこ焼きパーティー。彼は日本人の彼女に会いにクリスマス休暇に3週間大阪に行っていたのだけど、そのついでにドン・キホーテでたこ焼き器を買ってきてくれた。近くにある中華系スーパーやTescoなどで買い物を済ませ彼の家で料理を始めるものの、たこ焼き器の電源を入れた途端に火花を吹いて壊れた。以前、アイロンを同じように壊したことが頭によぎる。結局フライパンでお好み焼き(のような何か)を作る。材料自体は間違いないものばかりなのでおいしかった。

f:id:the-life-of-watashi:20200114225244j:plain

お土産に大量のキットカットをくれた

 日曜日、友人と会う予定が課題が間に合わないという理由でキャンセルに。時間ができたので、以前から勧められていた『You』の続きを見る。第7話まで観終えたけど、正直あまり好きかどうかは分からない展開。サイコパスかと思いきや妙に煮え切らない主人公にイライラ。夕方に急な腹痛に襲われ、忘れるために昼寝。体調があまりよくないままボーっと一日を過ごしてしまった。

 月曜日も予定なし。少し悲しくなったので友人に連絡して急遽夜ご飯を一緒に食べることにする。昼過ぎに起きてシャワーを浴びる。髪を乾かしているとドアをノックする音がする。開けてみるとフラットメイトが見るからに調子悪そうに立っていた。「胸が苦しいから病院に付き添ってほしい」とのこと。急いで準備をして、寮の隣にある病院へ向かう。歩くばかりかスマホを持つのすら辛そうな様子だったので、Uberを呼んでエントランスまで送ってもらった。毎日のように横を通る病院なのにこんなに大きくて新しいとは知らなかった。イギリスではNHSという医療制度があり、医療費は基本的にみんな無料。その代わりに病院は原則予約制で、こういった場合は急患扱いになる(2~3時間は平気で待たされる)。フラットメイトを受付まで連れて行って自分は帰宅。あとで「ひとまず一日入院することになった」とメッセージが来て驚く。早く回復してほしいな。こういうときに実家から親が駆けつけられる距離なのが少し羨ましくもあり。

 夜は友人と3人でご飯。中華街にある友人お気に入りのレストランへ。あんかけご飯のようなものを頼む。ここのレストランはメニュー名からは何が運ばれて来るか全く想像できないけれど、結局何を食べても安くておいしい。レストランのあとはタピオカを飲みに。中華街があることも関係しているのだろうけど、それにしてもタピオカ屋さんが多い。人気なのはアジアだけじゃないんですね。BGMがTroye SivanやThe 1975なんかで、誰が選曲しているのか気になった。途中でルーマニア人の友人が所用で抜けて、日本人留学生の友人と二人に。ちょっとした噂話や恋愛トークで盛り上がりながらも、昭和芸能ネタが7~8割を占めていた気がする。こういう話をできる同年代が留学先にいることは奇跡。

https://twitter.com/showgonna_ito/status/1167398809107742721

 明日は課題を出しに大学へ行って、『You』の続きを観ようと思う。大学以外の勉強もできたらな。


 ブログを書いている間に写真の少なさに気づく。せっかくの機会、もう少し日々を記録していかないとな。