2023.07.21
あまり愉快な朝ではなかった。
夏風邪をこじらせてしまい痰が絡むし、当日の朝になって恋人に「今日は夜ご飯いらない」と言われるし、いつもは家を出たところですれ違うはずの小学生たちに今日は一人も出会わず、つい自分の腕時計を疑ってしまうし。
早いもので、もうすぐで東京に越してきて4ヵ月。春休みの時期にやってきて、夏休みに突入した。夏休みと言っても会社員の私は変わらず仕事をせねばならんし、ただ朝すれ違う小学生の集団に会わなくなるだけなのだが、こういうところにも季節を感じて少し嬉しくなる。
満員電車のなか、新しく出た曲を色々と聴いてみる。金曜日の習慣。特に今週はEthel Cain「Famous Last Words (An Ode to Eaters)」がよかった。年始に観た『ボーンズ・アンド・オール』がテーマになっているらしい。ちなみに今日は待ちに待った『Barbie The Album』のリリース日でもあるが、こちらは落ち着いて聴けるタイミングまで取っておく。
風邪で声が出づらいと、出社して第一声の「おはようございます」にとても緊張する。痰が絡んだ声で言うのも恥ずかしいので、エレベーターを降りる前に軽く咳払いし、ウォーミングアップしてから「おはようございます」に臨む。
今の職場では週に1度ほど、銀行に行くために外出することがある。普段は自転車を使うのだが、雨が降りそうな日は15分ほど歩いて向かう。やや罪悪感はあるものの、会社を抜け出してイヤホンで音楽を聴きながら歩く往復30分はお得な気分。そんなこともあり、最近では天気予報に雨マークを見つけると、嬉々として歩いて銀行に向かうようにしていた。今日は降水確率30%。悩みどころだが、仕事が立て込んでいたこともあり、自転車に跨って向かう。途中で郵便局に立ち寄り、友人に借りたままだった蔡明亮のDVDボックスを彼のアパートに送る。本来の用事を済ませて自転車を漕いでいると、あと少しで会社というところで雨に降られる。公私混同で郵便局に寄った罰かも。
珍しく少し残業して帰ろうとすると、エレベーターで自分より1つ下の先輩社員・Oさんと鉢合わせる。そのまま雑談をしながら駅に向かうと、別れ際に「まだまだ夜は長いです。華金楽しみましょう!」と言われる。特に予定もない自分は「ハハ」と変なはにかみ顔で応えてしまった。絶対に不自然な笑顔だったよなと落ち込みながら、彼と別の方向の電車に乗り込む。
最寄り駅まで数駅というところで席に座れたので、サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ』を開く。昨年の春に「美殿町本通り」で買ってから積読状態だったやつ。1話目の「バナナフィッシュ日和(A Perfect Day for Banana Fish)」をあと少しで読み終わる、というところで最寄り駅に着いてしまう。どうせあと2~3ページなのだし、ホームのベンチに座って最後まで読むことも考えたが、要らぬ自意識が勝る。駅を出てからも、どこか座れる場所がないものかと文庫本に人差し指を挟んだまま商店街をうろつくが、諦める。
家に帰る前に夜ご飯の買い出しをする。ランチに唐揚げ定食を食べたのもあって夜は健康志向で行きたいと思う自分と、一人の為にちゃんと料理をするのも面倒だと思う自分が闘っている。そういえば数日前から餃子が食べたいと思っていたのでかごに冷凍の餃子を入れるが、思い直してレトルトのハヤシライスを買う。正直大差ないが餃子よりはやや健康的なのでは…と苦し紛れにベビーリーフもレジに持っていく。
自宅に戻り、レトルトのハヤシライスを温めているうちにAmazonでHARIOのフィルターインボトルを注文する。実家にいた頃から長らく使っていたが、先日自分の不注意で割ってしまったので新しいものを買った。夏はやっぱり冷えたお茶が飲みたくなるし、このボトルなしで2~3ヵ月過ごしてみて、やっぱり自分の生活には必要だという判断に至った。映画1回1,900円はすぐ観に行くのに、ほぼ同じ値段のボトルを買うのに数ヶ月要するのはなぜ。
ハヤシライスをかき込んだ後に、読みかけだったサリンジャーの続きを読む。登場人物のシーモアが唐突に自死を選び、呆気にとられる。何の前触れもなく、と思ったが前触れはその文章の節々に隠れていたのだと気づく。最近は『走れ、絶望に追いつかれない速さで』や『サマーフィーリング』、あとは安藤裕子「歩く」や阿部芙蓉美「その街のこども」など、人の死を感じる作品に意識的にも無意識的にも触れる機会が多い。
久々にブログを更新したくなったはいいが、なかなかあの頃の感覚が取り戻せず時間を食ってしまったし、とっても冗長な記事になってしまった。長いはずの華金も気づいたらあと10分。Oさんは今ごろ華金楽しんでいるのだろうか。
2022年 観た映画・ドラマ
映画
- 『ジュラシック・パーク』(Jurassic Park)/ スティーヴン・スピルバーグ(Steven Spielberg)(1993・US)- 1月5日(Netflix)
- 『大仏+』(大佛普拉斯; The Great Buddha+)/ ホアン・シンヤオ(黃信堯)(2017・TW)- 1月6日(JAIHO)
- 『ユンヒへ』(윤희에게; Moonlit Winter)/ イム・デヒョン(임대형)(2019・KOR)- 1月7日(ミッドランドスクエアシネマ2)
- 『トランスアメリカ』(Transamerica)/ ダンカン・タッカー(Duncan Tucker)(2005・US)- 1月9日(U-NEXT)
- 『プリシラ』(The Adventures of Priscilla, Queen of the Desert)/ ステファン・エリオット(Stephan Elliott)(1994・AUS)- 1月10日(DVD)
- 『無聲 The Silent Forest』(無聲; The Silent Forest)/ コー・チェンニエン(柯貞年)(2020・TWN)- 1月14日(伏見ミリオン座)
- 『ゴッドスピード』(一路順風; Godspeed)/ チョン・モンホン(鍾孟宏)(2016・TWN)- 1月15日(JAIHO)
- 『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(Night of the Living Dead)/ ジョージ・A・ロメロ(George Andrew Romero)(1968・US)- 1月20日(Amazon Prime)
- 『さがす』片山慎三(2022・JPN)- 1月23日(伏見ミリオン座)
- 『シモーヌ・バルベス、あるいは貞淑な女』(Simone Barbès ou la vertu; Simone Barbes or Virtue)/ マリー=クロード・トレユー(Marie-Claude Treilhou)(1980・FRA)- 1月23日(Another Screen)
- 『サスペリア』(Suspiria)/ ダリオ・アルジェント(Dario Argento)(1977・ITA)- 1月25日(U-NEXT)
- 『欲望の翼』(阿飛正傳; Days of Being Wild)/ ウォン・カーウァイ(王家衛)(1990・HK)- 1月26日(U-NEXT )
- 『ブエノスアイレス 摂氏零度』(攝氏零度 春光再現; Buenos Aires Zero Degree)/ クワン・プンリョン(關本良) & アモス・リー(李業華)(1999・HK)- 1月27日(U-NEXT)
- 『瀑布』(瀑布; The Falls)/ チョン・モンホン(鍾孟宏)(2021・TWN)- 1月29日(Netflix)
- 『そして人生はつづく』(زندگی و دیگر هیچ; Life, and Nothing More...)/ アッバス・キアロスタミ(Abbas Kiarostami)(1991・IRA)- 1月30日(U-NEXT)
- 『赤いアニンシー; あるいはいまだに揺れるベルリンの壁をつま先で歩く』(อนินทรีย์แดง; Red Aninsri, or Tiptoeing on the Still Trembling Berlin Wall)/ ラッチャプーン・ブンバンチャーチョーク(Ratchapoom Boonbunchachoke)(2020・THA)- 1月30日(Normal Screen)
- 『WEEKEND ウィークエンド』(Weekend)/ アンドリュー・ヘイ(Andrew Haigh)(2011・UK)- 1月30日(Amazon Prime Video)
- 『ナイト・オン・ザ・プラネット』(Night on Earth)/ ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)(1991・US)- 2月3日(U-NEXT)
- 『カランコエの花』(Kalanchoe)/ 中川駿(2018・JPN)- 2月11日(U-NEXT)
- 『姉姉妹妹』(Chị Chị Em Em; Sister Sister)/ キャシー・ウエン(Kathy Uyen)(2019・VNM)- 2月22日(DVD)
- 『ミステリー・トレイン』(Mystery Train)/ ジム・ジャームッシュ(Jim Jarmusch)(1991・US)- 2月28日(U-NEXT)
- 『チェチェンへようこそ ―ゲイの粛清―』(Welcome to Chechnya)/ デヴィッド・フランス(David France)(2020・US)- 3月4日(渋谷・ユーロスペース)
- 『ザ・セル』(The Cell)/ ターセム・シン(Tarsem Singh)(2000・US)- 3月4日(Amazon Prime Video)
- 『こんなにも君が好きで -goodbye mother-』(Thưa mẹ con đi; Goodbye Mother)/ チン・ディン・ル・ミン(Trịnh Đình Lê Minh)(2019・VNM)- 3月7日(U-NEXT)
- 『希望のかなた』(Toivon tuolla puolen; The Other Side of Hope)/ アキ・カウリスマキ(Aki Kaurismäki)(2017・FIN)- 3月10日(U-NEXT)
- 『余命10年』(The Last 10 Years)/ 藤井道人(2022・JPN)- 3月14日(大垣コロナシネマワールド)
- 『MEMORIA メモリア』(Memoria)/ アピチャッポン・ウィーラセタクン(อภิชาติพงศ์ วีระเศรษฐกุล)(2021)- 3月15日(伏見ミリオン座)
- 『ドライブ・マイ・カー』(Drive My Car)/ 濱口竜介(2021・JPN)- 3月17日(U-NEXT)
- 『デニス・ホー ビカミング・ザ・ソング』(Denise Ho: Becoming the Song)/ スー・ウィリアムズ(Sue Williams)(2020・US)- 3月18日(九州大学台湾スタディーズ・レクチャーシリーズ「映画を通して見る東アジア2:今みんなで考えるべき問題とは」)
- 『カラヴァッジオ』(Caravaggio)/ デレク・ジャーマン(Derek Jarman)(1986・UK)- 3月18日(U-NEXT)
- 『息ぎれの恋人たち』(Breathless Lovers)/ 清水俊平(2017・JPN)- 3月19日(大阪アジアン映画祭・オンライン座)
- 『水本さん』/ 清水俊平(2017・JPN)- 3月19日(YouTube)
- 『ホモソーシャルダンス』(Homosocial Dancing)/ 東海林毅(2019・JPN)- 3月19日(U-NEXT)
- 『永遠に君を愛す』(I Love Thee for Good)/ 濱口竜介(2009・JPN)- 3月22日(名古屋・シネマスコーレ)
- 『不気味なものの肌に触れる』(Touching the Skin of Eeriness)/ 濱口竜介(2013・JPN)- 3月22日(名古屋・シネマスコーレ)
- 『天国はまだ遠い』(Heaven Is Still Far Away)/ 濱口竜介(2015・JPN)- 3月22日(名古屋・シネマスコーレ)
- 『光りの墓』(รักที่ขอนแก่น; Cemetery of Splendor)/ アピチャッポン・ウィーラセタクン(อภิชาติพงศ์ วีระเศรษฐกุล)(2015・THA)- 3月24日(シアタームヴィオラ)
- 『CURE』/ 黒沢清(1997・JPN)- 3月24日(Netflix)
- 『ドント・ルック・アップ』(Don’t Look Up)/ アダム・マッケイ(Adam McKay)(2021・USA)- 3月25日(Netflix)
- 『リング』(Ringu)/ 中田秀夫(1998・JPN)- 3月26日(Netflix)
- 『牛久』(Ushiku)/ トーマス・アッシュ(Thomas Ash)(2021・JPN)- 3月27日(名古屋・シネマスコーレ)
- 『PASSION』/ 濱口竜介(2008・JPN)- 3月27日(名古屋・シネマスコーレ)
- 『ファンタスティック・プラネット』(La planète sauvage; Fantastic Planet)/ ルネ・ラルー(René Laloux)(1973・FRA/CZE)- 3月29日(U-NEXT)
- 『I Am Here~私たちは ともに生きている~』(I Am Here - We Are Together)/ 浅沼智也(2020・JPN)- 3月31日
- 『モービウス』(Morbius)/ ダニエル・エスピノーサ(Daniel Espinosa)(2022・US)- 4月1日(大垣コロナシネマワールド)
- 『それでも私たちは立ち向かう~性犯罪のない世界へ~』(Nevertheless)/ サラ・モッシュマン(Sarah Moshman)(2020・US)- 4月2日(NHKプラス)
- 『カルメン故郷に帰る』(Carmen Comes Home)/ 木下惠介(1951・JPN)- 4月3日(Netflix)
- 『マティアス&マキシム』(Matthias & Maxime)/ グザヴィエ・ドラン(Xavier Dolan)(2019・CAN)- 4月20日(Amazon Prime Video)
- 『ふたつの部屋、ふたりの暮らし』(Deux; Two of Us)/ フィリッポ・メネゲッティ(Filippo Meneghetti)(2019・FRA/LUX/BEL)- 4月23日(岐阜・CINEX)
- 『マリー・ミー』(Marry Me)/ カット・コイロ(Kat Coiro)(2022・US)- 5月1日(名古屋・ミッドランドスクエアシネマ2)
- 『ドクターと嘘と女性:AIDSアクティヴィストの抗議運動』(Doctors, Liars, and Women: AIDS Activists Say No to Cosmo)/ ジーン・カルロムスト&マリア・マジェンティ(Jean Carlomusto, Maria Maggenti)(1988・US)- 5月2日(Normal Screen)
- 『Love You Forever』/ マシアホフ・セパンド&マシアホフ・セペール&原田波奈(2020・US)- 5月2日(Normal Screen)
- 『カモン カモン』(C'mon C'mon)/ マイク・ミルズ(Mike Mills)(2021・US)- 5月3日(伏見ミリオン座)
- 『二トラム/NITRAM』(Nitram)/ ジャスティン・カーゼル(Justin Kurzel)(2021・AUS)- 5月3日(伏見ミリオン座)
- 『整形水』(성형수; Beauty Water)/ チョ・ギョンフン(조경훈)(2020・KOR)- 5月27日(Amazon Prime Video)
- 『シニア・イヤー』(Senior Year)/ アレックス・ハードキャッスル(Alex Hardcastle)(2022・US)- 6月5日(Netflix)
- 『リトル・ガール』(Petite fille; Little Girl)/ セバスチャン・リフシッツ(Sébastien Lifshitz)(2020・FRA)- 6月11日(Netflix)
- 『アイ・アム・サムバディ』(I Am Somebody)/ マデリン・アンダーソン(Madeline Anderson)(1970・US)- 6月24日(subersive records)
- 『君の心に刻んだ名前』(刻在你心底的名字; Your Name Engraved Herein)/ 柳廣輝(Patrick Kuang-Hui Liu)(2020・TWN)- 6月26日(Netflix)
- 『ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン』(Jeanne Dielman, 23 quai du Commerce, 1080 Bruxelles)/ シャンタル・アケルマン(Chantal Akerman)(1975・BEL)- 7月9日(名古屋シネマテーク)
- 『わたしは最悪。』(Verdens verste menneske; The Worst Person in the World)/ ヨアキム・トリアー(Joachim Trier)(2021・NOR)- 7月9日(伏見ミリオン座)
- 『FLEE フリー』(Flugt; Flee)/ ヨナス・ポヘール・ラスムセン(Jonas Poher Rasmussen)(2021・DEN)- 7月10日(岐阜・CINEX)
- 『海に向かうローラ』(Lola vers la mer; Lola)/ ローレント・ミケーリ( Laurent Micheli)(2019・BEL/FRA)- 7月13日(EUフィルムデーズ 2022)
- 『スウィートハート』(Sweetheart)/ マーリー・モリソン(Marley Morrison)(2021・UK)- 7月17日(第30回レインボー・リール東京)
- 『ボクらのホームパーティー』/ 川野邉修一(2022・JPN)-7月18日(第30回レインボー・リール東京)
- 『一人にしないで』(不想一個人; Leave Me Alone)/ ファン・ヤンジョン(范揚仲)(2021・TWN)- 7月23日(2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜革新と継承〜」第4回)
- 『コーダ あいのうた』(CODA)/ シアン・ヘダー(Sian Heder)(2021・US/FRA/CAN)- 7月24日(Amazon Prime Video)
- 『雞・蛋』(Chicken・Egg)/ 黃尹浩(Evan Huang)(2017・TWN)- 7月24日(GagaOOLala)
- 『チェッカーで(毎回)勝つ方法』(พี่ชาย My Hero; How To Win At Checkers (Every Time))/ ジョシュ・キム(Josh Kim)(2015・THA/HK/US/IDN)- 7月24日(GagaOOLala)
- 『シュート!』(Shoot)/ 大森一樹(1994・JPN)- 7月31日(岐阜・ロイヤル劇場)
- 『Tattoo -刺青』(刺青; Spider Lilies)/ 周美玲(Zero Chou)(2007・TWN)- 7月31日(GagaOOLala)
- 『Perfect One-Night Stand』(완벽한 원나잇)/ Ahn Ji Hee(안지희)(2020・KOR)- 8月3日(GagaOOLala)
- 『WANDA/ワンダ』(Wanda)/ バーバラ・ローデン(Barbara Loden)(1970・US)- 8月15日(名古屋シネマテーク)
- 『旅立ち』(姊姊; My Sister)/ 潘客印(パン・カーイン)(2021・TWN)- 8月20日(2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜〜革新と継承〜」)
- 『ゴッドハンド』(手事業)/ 李宜珊(リー・イーサン)(2020・TWN)- 8月20日(2022台湾映画上映&トークイベント「台湾映画の"いま"〜〜革新と継承〜」)
- 『初戀 Hatsu-koi』(First Love)/ 今泉浩一(2007・JPN)- 8月20日(GagaOOLala)
- 『オーファンズ・ブルース』(Orphan's Blues)/ 工藤梨穂(2018・JPN)- 8月21日(U-NEXT)
- 『NOPE/ノープ』(Nope)/ ジョーダン・ピール(Jordan Peele)(2022・USA)- 8月27日(大垣コロナシネマワールド)
- 『歩いても 歩いても』(Still Walking)/ 是枝裕和(2007・JPN)- 8月30日(Amazon Prime Video)
- 『裸足で鳴らしてみせろ』(Let Me Hear It Barefoot)/ 工藤梨穂(2022・JPN)- 9月2日(名古屋シネマテーク)
- 『燃ゆる女の肖像』(Portrait de la jeune fille en feu; Portrait of a Lady on Fire) / セリーヌ・シアマ(Céline Sciamma)(2019・FRA)- 9月12日(Netflix)
- 『グッド・ストライプス』(Good Stripes)/ 岨手由貴子(2015・JPN)- 9月13日(Amazon Prime Video)
- 『私ときどきレッサーパンダ』(Turning Red)/ ドミー・シー(Domee Shi)(2022・USA)- 9月16日(Disney+)
- 『安可瑪莎』(Encore Martha)/ Natasha Sung(2021・TWN)- 9月16日(GagaOOLala)
- 『さかなのこ』(The Fish Tale)/ 沖田修一(2022・JPN)- 9月18日(ミッドランドスクエアシネマ)
- 『よだかの片想い』(The Nighthawk's First Love)/ 安川有果(2022・JPN)- 9月18日(伏見ミリオン座)
- 『ぼくの名前はズッキーニ』(My Life as a Courgette; Ma vie de Courgette)/ クロード・バラス(Claude Barras)(2016・SWI/FRA)- 9月18日(U-NEXT)
- 『バオ』(Bao)/ ドミー・シー(Domee Shi)(2018・USA)- 9月19日(Disney+)
- 『東宮西宮』(East Palace, West Palace; 东宫西宫)/ チャン・ユアン(張元)(1997・CHN)- 9月19日(GagaOOLala)
- 『潮汐』(Tidal)/ リー・ヤンシュン(李彦勋)(2018・TWN)- 9月20日(GagaOOLala)
- 『天使の涙 4K』(Fallen Angels; 堕落天使)/ ウォン・カーウァイ(王家衛)(1995・HK)- 9月24日(センチュリーシネマ)
- 『秘密の森の、その向こう』(Petite Maman)/ セリーヌ・シアマ(Céline Sciamma)(2021・FRA)- 9月25日(伏見ミリオン座)
- 『夕やけ雲』(Farewell to Dream)/ 木下惠介(1956・JPN)- 9月29日(Google Play)
- 『マイ・ブロークン・マリコ』(My Broken Mariko)/ タナダユキ(2022・JPN)- 9月30日(大垣コロナシネマワールド)
- 『四月の永い夢』(Summer Blooms)/ 中川龍太郎(2018・JPN)- 10月17日(U-NEXT)
- 『春みたいだ』(Spring Like Lovers)/ シガヤダイスケ(2017・JPN)- 10月18日(U-NEXT)
- 『ジェニファー・ロペス ハーフタイム』(Halftime)/ アマンダ・ミッチェリ(Amanda Micheli)(2022・US)- 10月22日(Netflix)
- 『アシュカル』(Ashkal)/ ユセフ・チェビ(Youssef Chebbi)(2022・TUN/FRA)- 10月29日(東京国際映画祭)
- 『親愛なる君へ』(Dear Tenant; 親愛的房客)/ チェン・ヨウチェ(鄭有傑)(2020・TWN)- 11月23日(U-NEXT)
- 『ある男』(A Man)/ 石川慶(2022・JPN)- 12月3日(ミッドランドスクエアシネマ2)
- 『パラレル・マザーズ』(Parallel Mothers; Madres paralelas)/ ペドロ・アルモドバル(Pedro Almodóvar)(2021・SPA)- 12月4日(岐阜・CINEX)
- 『冬の旅』(Vagabond; Sans toit ni loi)/ アニエス・ヴァルダ(Agnès Varda)(1985・FRA)- 12月10日(名古屋・シネマテーク)
- 『天上の花』/ 片嶋一貴(2022・JPN)- 12月17日(伏見ミリオン座)
- 『アメリカから来た少女/アメリカン・ガール』(American Girl; 美國女孩)/ 阮鳳儀(2021・TWN)- 12月30日(Netflix)
ドラマ
- 『家出娘』(Runaway Girl)(脚本:船越凡平)(2022・JPN)- 3月24日(NHK・第45回創作テレビドラマ大賞)
- 『ハートストッパー』(Heartstopper)(原作・脚本:アリス・オズマン / 監督・ユーロス・リン)(2022・UK)(Netflix)
- 『エルピス —希望、あるいは災い—』(Elpis: Hope or Disaster)(脚本:渡辺あや、演出:大根仁・下田彦太・二宮孝平・北野隆)(2022・JPN)(U-NEXT)
- 『作りたい女と食べたい女』(She Loves to Cook, and She Loves to Eat)(2022・JPN)(NHKプラス)
2022年 すきな音楽
もう毎年言っていますが、今年も早かった。年長者の言う「社会人になったらもっと早くなるよ」が本当になってしまった今年、来年は少しでも歯止めをかけられるようになりたいです。とはいえ一つ一つを思い返せば、印象的なことで溢れていた2022年。もしかしたらここ数年で一番いろいろな活動、経験をしたような気もしています。またそれについてはどこかで触れるとして、ここではそんな1年を彩ってくれた音楽の中から、私の好きなものを選んでみました。最後にはApple MusicおよびSpotifyのプレイリストもつけています。
すきな楽曲(50曲)
(※集計対象作品:2021年12月1日~2022年11月30日にリリースされたもの)
- UA「微熱」
- Rina Sawayama「This Hell」
- 宇多田ヒカル「Somewhere Near Marseilles ーマルセイユ辺りー」
- adieu「夏の限り」
- dvsn「What's Up (feat. Jagged Edge)」
- ゆっきゅん「NG」
- ザ・おめでたズ「DANSU」
- Awich「どれにしようかな」
- 優河「people」
- Lil Soft Tennis & kZm「I Feel On You」
- ODD Foot Works「I Love Ya Me!!!」
- Charli XCX「Lightning」
- Empress Of「Save Me」
- Official髭男dism「Subtitle」
- 崎山蒼志「覚えていたのに」
- Hope Tala「Leave It On The Dancefloor」
- 三浦透子「私は貴方」
- Beyoncé「ALIEN SUPERSTAR」
- 広瀬香美「Venus Line」
- 羊文学「光るとき」
- Taylor Swift「Midnight Rain」
- グソクムズ「冬のささやき」
- Caroline Polachek「Billions」
- Chlöe「Treat Me」
- Lizzo「About Damn Time」
- 柴田聡子「サイレント・ホーリー・マッドネス・オールナイト(Dub's Galatic Dance Floor Remix」
- Jamila Woods「Boundaries」
- IVE「After LIKE」
- RYUTist「オーロラ」
- MICHELLE「PULSE」
- GOT7「TRUTH」
- 森山直太朗「素晴らしい世界」
- Leven Kali「EEK」
- 中村佳穂「さよならクレール」
- KARA「WHEN I MOVE」
- ミームトーキョー「アニモア」
- Omar Rudberg「Moving Like That」
- 元ちとせ「暁の鐘」
- Cass McCombs「Unproud Warrior」
- serpentwithfeet「I'm Pressed」
- Purity Ring「graves」
- Jenevieve「Love Quotes」
- SATOH & ラブリーサマーちゃん「ON AIR」
- Kelela「Washed Away」
- JASMINE「Come & Talk 2 me (feat. B.I.G. JOE)」
- Jenevieve「Rendezvous」
- Foxes「Growing On Me」
- Charlie Puth「That’s Hilarious」
- 88rising & BIBI「The Weekend (MILLI Remix)」
- Bree Runway「THAT GIRL」
すきなアルバム
(※集計対象作品:2021年12月1日~2022年11月30日にリリースされたもの)
- 宇多田ヒカル『BADモード』
- Rina Sawayama『Hold The Girl』
- Awich『Queendom』
- ゆっきゅん『DIVA YOU』
- Charli XCX『Crash (Deluxe)』
- Kabanagu『ほぼゆめ』
- 柴田聡子『ぼちぼち銀河』
- Joan Shelley『When the Light Is Dying』
- butasaku『forms』
- George Riley『Running In Waves』
- ウ山あまね『ムームート』
- ザ・おめでたズ『大人』
- 元ちとせ『虹の麓』
- ena mori『DON'T BLAME THE WILD ONE!』
- Beyoncé『RENAISSANCE』
- 寺尾紗穂『余白のメロディ』
- Taylor Swift『Midnights』
- 藤井隆『Music Restaurant Royal Host』
- Carly Rae Jepsen『The Loneliest Time』
- RYUTist『(エン)』
- JASMINE『Re:Me』
- 森山直太朗『素晴らしい世界』
- 大石晴子『脈光』
- Cass McCombs『Heartmind』
- Oliver Sim『Hideous Bastard』
- FKA twigs『CAPRISONGS』
- Lizzo『Special』
- 優河『言葉のない夜に』
- Theo Vroker『LOVE QUANTUM』
- 中村佳穂『NIA』
すきなEP
(※集計対象作品:2021年12月1日~2022年11月30日にリリースされたもの)
- UA『Are U Romantic?』
- Empress Of『Save Me』
- GOT7『GOT7』
- Joyce Wrice『Motive』
- Blood Orange『Four Songs』
- Jenevieve『Rendezvous』
- Lil Soft Tennis『KiD』
- Kim Petras『Slut Pop』
- PEARL CENTER『On The Nightline』
- SONIKKU『MOLG』
すきな曲
上で紹介した50曲をまとめました。
Bubbling Under Hot 50
Billboardの真似をして、50曲から漏れた15曲をまとめました。
Non-2022 Songs
2022年以前リリースのもので、今年特によく聴いたものをまとめました。
2022.12.05
おちこんでしまった。
できるだけ笑顔で、新人らしく溌溂と。仕事は不慣れでも、そのぶん愛嬌でカバーしよう。そう思って明るく振舞っていたはずなのに、急に空元気の線がぷつんと切れた。
働き始めてやっと出せるようになったおでこも今日は出せなかった。ひどくチープな言い回しだけど、おでこを出すと自分の心まであけすけになってしまうような気がしていて昔から嫌だったのだった。
なんでこんな風になってしまったかと言うと、それはもう複合的な問題…―無理やりまとめれば、あらゆることにおいて主導権を握れないこと、あらゆることを制御できないことによるストレスとでも言えるかもしれない。少しずつ溜まっていったしんどさが今朝、ピークを迎えてしまった。
お昼は図書館で借りていた本を読もうとリュックから取り出したものの、集中できず結局昼寝をする。
夕方、会社の採用ページに掲載するためのちょっとした文章を書くように言われる。 こんなときに就活生のために文章なんて書けるかよと思いつつ、ちゃっかりいいことを書く。気づくと終業時間になっている。
先週は残業続きで、それもこのしんどさの一因だということは分かっていたので、今日はマッハで仕事を片付けて定時で退勤する。仕事に集中していた方が気も紛れた。
クレジットカードの引き落とし日までにイオン銀行に入金しておくのをいつも忘れる。近所のマックスバリューで買い物するときに使うイオンカードの為だけに作った口座。いつも2~3日過ぎた頃にハッとして、すぐさまネットバンキングで入金している。この手数料もいわゆる”チリツモ”ってやつなんだけど…。資産管理アプリを開き、昨日引き落とし額ぴったりを振り込んでおいた分が無事に引き落とされているのを確認して一安心。今回もまた2日遅れてしまった。
落ち込んでいるときは本当にどうでもいいことが大きな危機になってしまう。例えば洗い終わったスプーンを落としてしまったとき。急な大きな音に驚き、そのあとに来る静けさにどうしようもなく辛い気持ちになる。
夜、2日前に作ったキムチ鍋の残りを食べきる。シメに鸡蛋面を入れて食べるのを楽しみにしていたので嬉しい。鍋だとか豚キムチだとか、どこか心のなかで「手抜きだろう」だなんて思っていたレシピも食べてみるとおいしくて感激する(しかも楽!)。大好きな鸡蛋面を2玉も食べたあとは今日放送分の『作りたい女と食べたい女』を観る。Twitterで話題になっているのは知っていたのだけどなかなか時間が作れず、日曜日にその週の分を一気見したのだった。作りたい女と食べたい女だけど、決して与えたい女と受け取りたい女ではないよなと思う。
寝る前にお付き合いしている人とビデオ通話をする。いまの家に引っ越してからWi-Fiの具合が悪くて、ビデオ通話をするときはいつも困っている。BUFFALOのルーターを買ったのだけどうまく接続できないまま放置しているので、週末に再トライしようと思う。距離が離れていることもあり、彼と次に会えるのはクリスマスの週。『つくたべ』の話をしたところ「何か作ってよ」と言われたので2週間で練習してみたいと思う。一人暮らしをはじめてからやっと料理をするようになったのだけど、人のために何かを作ったことはまだないので緊張する。
Melodifestivalen 2022について
こんばんは。ご無沙汰しております、ワタシです。2022年も3週間ほどが過ぎ、街は次々と節分、バレンタインなど2月に向けた準備が始まっています。
2月をもうすぐ迎えるということはつまり、今年もMelodifestivalenの季節がやってきたということです。
- 昨年のおさらい
- Melodifestivalen 2022 出場アーティスト
- Semi-final 1(2022年2月5日)
- Semi-final 2(2022年2月12日)
- Semi-final 3(2022年2月19日)
- Semi-final 4(2022年2月26日)
- おわりに・視聴方法など
(※楽曲へのリンクは基本的にはYouTube動画へのリンクになっています。公式動画が見つからない場合などは、Spotifyへのリンクを貼っています。)
昨年のおさらい
毎年2月第1週から3月第2週にかけて行われるスウェーデン最大の音楽大会、Melodifestivalen 。ヨーロッパ最大の音楽大会であるEurovision Song Contestのスウェーデン国内予選として毎年開催されており、なんとスウェーデン国内で最高年間視聴率を誇る番組でもあります。Eurovisionは各国で予選大会が開かれるのですが、Melfestの愛称でも親しまれているこの大会は、なぜかとりわけ人気が高く、(私含め)世界中にファンがいるそう*1。それもそのはず、仰々しいパフォーマンス(DIVA…)、圧倒的な歌唱力、二番煎じ感の漂う演出、独自の文脈、そして投票により優勝者が決まるゲーム性…とハマったら抜け出せない要素がたっぷり。昨年も、Melodifestivalenについては、3回に渡る長文記事でもご紹介し(友人らからは引かれまし)た。
昨年の『Melodifestivalen 2021』で優勝を飾ったのはTusse君。エントリー曲「Voices」Eurovisionに臨みました。声帯手術や人種差別的なコメントなど困難に見舞われた彼。手術の影響もあったのか、本選では18位とスウェーデンにとっては8年ぶりに低い順位を記録してしまいました*2*3。
コンゴ共和国にルーツを持ち、難民としてスウェーデンに移り住み、見事Melodifestivalen優勝を果たした彼のサクセスストーリーについてはMelodifestivalenの放送局であるSVTが「Tusse: Utan min röst」というドキュメンタリーも制作し、のちにBBCでも特集が組まれました*4。Eurovision出場後はしばらくリリースが途絶えていましたが、昨年後半になり「Grow」と「this is our christmas song」をリリース。両方とも素晴らしいポップソングになっているので、是非一度お聴きください。
その他、昨年のMelodifestivalen関連のニュースで言えば、決勝戦で5位に終わったClara Klingenström「Behöver inte dig idag」や同10位のAlvaro Estrella「Bailá Bailá」が大会終了後に商業的な成功を記録*5。また、『Melodifestivalen 2020』で優勝したものの、『Eurovision Song Contest 2020』が新型コロナウイルスの影響で開催中止になり、満を持して出場した『Melodifestivalen 2021』では3位の結果で終わったThe Mamasは、過去の楽曲「Let It Be」があの『American Idol』の挿入歌として使用されました*6。彼女たちは各メンバーのソロ楽曲をシングルとしてリリースしたのち、昨年末EP『Won’t Let The Sun Go Down』を発表。そして、惜しくもTusseに続き2位で大会を終えたEric Saade(私がMelodifestivalenにハマるきっかけとなった歌手でもあります)は、出場曲「Every Minute」を皮切りにエレクトロ~R&Bの要素を取り入れた楽曲をリリース。6枚目のアルバムに向けた新章を開始させています。
そして、昨年のヨーロッパ本選である『Eurovision Song Contest 2021』で優勝したのは、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのMåneskin。出場曲「Zitti e buoni」がヨーロッパ圏でヒット。イタリア語楽曲として30年ぶりに全英トップ20を記録したのを皮切りに、「I Wanna Be Your Slave」や「Beggin'」など過去の楽曲も、TikTokなどの力も手伝って世界中で大ヒット。Eurovisionを足掛かりにここまで世界的に成功を収めたのは1988年優勝のCeline Dion以来なのではないでしょうか。彼らは新曲「Mammamia」を昨年10月にリリースしました。
Melodifestivalen 2022 出場アーティスト
ここまで簡単に(?)前年までのMelodifestivalen及びEurovisionを振り返りましたが、ここからは『Melodifestivalen 2022』のお話を。冒頭で紹介したWiwibloggsの記事にもある通り、昨年11月26日に出場アーティストの第1弾として28組中14組が発表され、同年12月1日には第2弾として残りの14組が発表されました。ここからは彼らの経歴などについて長々と書いていけたらと思います。
が、まずここで、来年のMelodifestivalenの総合司会についてご紹介。ちなみに昨年の総合司会は、2002年以降プロデューサーとして長らくMelodifestivalenを支えてきたChrister Björkmanが担当。彼は昨年をもってプロデューサーの地位を退くことを発表しており、昨年大会は彼の最後の晴れ舞台であったということもハイライトの一つでした。もはや「King of Melodifestivalen」、皆に愛されるBjörkman先生。
そんな彼からバトンを受け取り、『Melodifestivalen 2022』の総合司会を担当するのはOscar Zia。過去にMelodifestivalenに歌手として出場した経験を持つことや、ゲイをカミングアウトしていることはBjörkmanとも一致しています(ちなみに彼の2016年のエントリー曲「Human」は私の好きなMelodifestivalenパフォーマンスでも5本の指に入ります)*7。そんなZia、昨年大会では、同じく過去にMelodifestivalenに出場した歌手・ラッパーのAnis Don Deminaと共に第2予選のゲスト司会者を務め、大いに場を盛り上げました*8。
また、Melodifestivalenと言えば例年、スウェーデン国内の各都市を予選で周り、ストックホルムで決勝戦を迎えるのがお決まりなのですが、2021年大会に引き続き、今年もオミクロン株の蔓延の影響などで、予選~決勝にかけて、ストックホルムの同一会場で行われる予定。有観客になるかどうかはまだ審議中ということで、コロナウイルス感染症の状況を見てギリギリの判断になるようです*9。
それでは、ここでようやく出場者たちのご紹介を。出演順でいきます。
Semi-final 1(2022年2月5日)
Malou Prytz「Bananas」(3)
今年のMelodifestivalenのトップバッターを務めるのは3回目の出場となるMalou Prytz。なんと初登場を飾った『Melodifestivalen 2019』当時は15歳、今回の大会出場時点でまだ18歳という若さ。
『Melodifestivalen 2020』では惜しくも予選敗退となってしまった「Ballerina」ですが、個人的にはこの年のベスト5に入るお気に入りのパフォーマンス。これまで出場した2大会ともに圧巻のパフォーマンスだったのはもちろん、演出も手の込んだものだったので、今回の「Bananas」ではどんな演出を見せてくれるのか楽しみです。
なんと今年のエントリー曲「Bananas」のソングライター陣には、ヒットメーカーのJimmy Thörnfeldtのほか、『Melodifestivalen 2014』に「Busy Doin' Nothin'」(𝘿𝙞𝙫𝙖…)で出場したAce Wilderも名を連ねています。Ace Wilderの同曲は、惜しくもSanna Nielsen「Undo」に阻まれ2位に終わってしまいましたが(Oscar Zia「Human」と並ぶ"robbed"なモーメント)、セールス面では「Undo」以上の大成功を記録、2014年の年間チャートでは14位を記録するなど、未だにMelodifestivalenファンにとっては印象深いパフォーマンスとなりました。その後、2016年、2017年のMelodifestivalenにも出場していましたが、その後は目立った活動が見られませんでした。MalouもAceもがんばれ~。
Theoz「Som du vill」(初)
今年のHot Guys枠の一人で、スウェーデン国内ではインフルエンサーとして人気を誇るTheozはなんと2005年生まれの16歳。ティーンポップから大人のポップスへと階段を上る途上の彼、どんな楽曲を繰り出してくるのでしょうか。
ソングライター陣もかなり豪華で、『Melodifestivalen 2017』出場者でもあるAxel Schylströmに加え、メタルバンドAmarantheのボーカルであり『Melodifestivalen 2015』にも出場したElize Ryd、倖田來未*10やCeline Dion*11の他、多くのMelodifestivalen関連楽曲*12を手掛けるTobias Lundgren&Tim Larssonのタッグなどが参加しています。
Shirley Clamp「Let There Be Angels」(7)
Melodifestivalenファンなら知らない人はいない、もはや泣く子も黙るShirley Clampが、2014年大会以来8年ぶりとなる久々の登場*13。2003年、2004年、2005年、2009年、2011年、2014年と過去に6回の出場経験を持ち、まさにMelodifestivalenを知り尽くした彼女。『Melodifestivalen 2011』には「Shirley’s Angels」という聞き覚えのあるユニット名で出場、惜しくも敗者復活戦で敗退してしまいました。
今回のエントリー楽曲は「Let There Be Angels」。Yoshiki featuring Sarah Brightmanが披露しそうなタイトルですが、制作陣には昨年のOur Favoritesの一つTess Merkel「Good Life」を作曲したMats Tärnforsや、Steps*14、Westlife*15、Carrie Underwood*16など世界的アーティストの楽曲も手掛けるPelle Nylénらが脇を固めています。
Omar Rudberg「Moving Like That」(3)
Felix Sandmanらを輩出したボーイバンドFO&Oのメンバーとして『Melodifestivalen 2017』に初出場し、昨年にはNetflixシリーズ『ヤング・ロイヤルズ』(Young Royals)で世界的な名声を手にしたOmar Rudbergが、2019年大会以来、満を持しての出場。ベネズエラにもルーツを持つ彼、スペイン語楽曲も多くリリースしていますが、今回はソロオリジナル楽曲としては初となる英語曲で挑戦します。
制作は所属レーベルであるTEN Music Groupの面々がサポート。前回は惜しくも予選敗退となってしまいましたが(かなり不満でしたが)、今回はどこまで票を伸ばせるか。と言いつつ、個人的にMalou Prytzを応援しているので、Malou、Theoz、Omarの間で若年層の票が分散してしまうのは痛い気もします。
Danne Stråhed「Hallabaloo」(初)
今回がMelodifestivalen初登場となるDanne Stråhedですが、実はなんと御年65歳の大御所。ソロ活動の傍ら、The ChinoxやWizexといったバンドのメンバーとして、1970年代から活動してきた彼。今回はどういった楽曲で勝負してくるのでしょうか。
ソングライター陣には、Danne自身のほか、『Melodifestivalen 2016』で優勝したFrans「If I Were Sorry」などを手掛けるFredrik Anderssonと、スウェーデンのスーパーグループE.M.D.*17による2009年出場曲「Baby Goodbye」などを手掛けるErik Stenhammarの名前も。案外正統派ポップスで来るのか?とワクワクさせてくれる存在です。
Cornelia Jakobs「Hold Me Closer」(3)
スウェーデンの人気メタルバンドThe Poodlesの元メンバーJakob Samuelの娘でもあるCornelia Jakobs。ガールズグループLove Generation(その後Stockholm Syndromeに改名、解散)のメンバーとして『Melodifestivalen 2011』『Melodifestivalen 2012』に出場した経験があるものの、いずれも決勝戦進出はならず。ソロとしては初出場である今回の『Melodifestivalen 2022』で雪辱を果たし、見事決勝戦出場できるのか見所です。ちなみに父親の所属していたThe Poodlesも2006年と2008年にMelodifestivalenに出場経験あり。
現在はLove Generation時代からは想像もつかない驚きのイメージチェンジを果たしている彼女ですが、今回はどのような楽曲でカムバックするのかも注目。ちなみに今回の出場曲のソングライターには、自身もシンガーとして活動し、Steps*18、Medina*19のほか、Lisa Ajaxの『Melodifestivalen 2019』出場曲「Torn」などを担当したIsa Molinなどが名を連ねています。
Robin Bengtsson「Innocent Love」(4)
優勝経験があるアーティストでも再び戻ってくるのがMelodifestivalen。2016年に初出場後、『Melodifestivalen 2017』に「I Can’t Go On」で出場し見事優勝、続くEurovisionでも5位の好成績を収めたRobin Bengtssonですが、2020年大会を経て今年も4度目の出場を叶えました。個人的にSemi-final 1から驚きの大混戦の『Melodifestivalen 2022』。どうなってしまうのでしょうか。
ソングライターに名を連ねるVictor Croneはなんと『Melodifestivalen 2020』でRobinと共に優勝を争った人物。そのほか、2018年に「Dancing in the Moonlight」が欧州を中心に大ヒットしたJubëlの二人と、スウェーデンの大スターDarin*20やClara Klingenström*21の他、Melodifestivalen常連のAnna Bergendahl*22やLoreen*23、Sanna Nielsen*24などの楽曲を手掛けたDavid Lindgren Zachariasなど本気のラインナップ。
Semi-final 2(2022年2月12日)
LIAMOO「Bluffin'」(3)
過去の入賞者がMelodifestivalenに出場することも多い、スウェーデン版『American Idol』の『Swedish Idol』。Semi-final 2のHot Guy枠、LIAMOOもその中の一人で、『Idol 2016』で優勝を飾った人物。2018年、2019年とMelodifestivalenにも出場しており、なんと2回連続でファイナル進出を決めました。特にHanna Ferm*25とのデュエットとして出場した『Melodifestivalen 2019』では、決勝3位の好成績を残した彼。
実はこの曲、制作陣にはこの『Melodifestivalen 2022』にアーティストとしてもエントリーしているMedinaの2人が参加。ヒップホップデュオの2人が手掛けているだけあり、得意なラップも披露するかも。
そのほかのソングライターには、昨年の『Eurovision Song Contest 2021』においてスウェーデン*26、キプロス*27、サンマリノ*28のエントリー楽曲を手掛けたほか、Eric Saade*29やEmil Assergård*30、Helena Paparizou*31、Mohombi*32といったMelodifestivalenファンお馴染みのメンバーから、Nicki Minaj*33、Enrique Iglesias*34、Pitbull*35、Kelly Rowland*36、Jennifer Lopez*37といった世界規格のスター、そしてBIG BANG*38まで多くの楽曲を手掛けるJimmy Thörnfeldtと、『Melodifestivalen 2020』でThe Mamasと優勝を争ったDotter「Bulletproof」やEXOのメンバーCHANYEOLによるソロ楽曲「Tomorrow」などを手掛けたDino Medanhodzicが名を連ねています。まさに向かうところ敵なしの布陣で挑むLIAMOO、要注目アクトの1人です。
Niello & Lisa Ajax「Tror du att jag bryr mig」(初/4)
LIAMOOと同じく『Swedish Idol』出身で、2016年、2017年、2019年と3回もの出場経験を誇るLisa Ajaxと、こちらはMelodifestivalen初出場となるラッパーNielloが共演。
Lisa Ajaxは『Idol 2014』で優勝したことから一躍人気シンガーに登り詰めたシンガーで、3回出場したMelodifestivalenすべてで決勝まで勝ち進んだ実力者。なんと同じ予選に『Swedish Idol』優勝者が2人揃うという大混戦状態に。Nielloは2013年にリリースした「Legenden (featuring Phantomen)」が国内チャート3位の大ヒット作となったことで知られています。
そんな彼らの共演は初めてではなく、昨年「Ingen annan」という楽曲をリリース済み。息の合ったパフォーマンスに期待です。
3回のMelodifestivalen出場経験を誇るLisa Ajaxですが、スウェーデン語楽曲で出場するのはこれが初めて。果たしてこれがどう働くかも注目です。
Samira Manners「I Want to Be Loved」(初)
「愛されたいの」というなんとも切実なタイトルの楽曲でMelodifestivalenに初出場を果たすSamira Mannersは、2020年にデビューしたばかりのニューカマー。一見するとMelodifestivalenとは縁遠そうなインディーポップを得意とする彼女ですが、昨年大会で予想外の好成績を残し、大会後もエントリー楽曲をヒットさせたClara Klingenströmの前例がある今、こういったアコースティックな楽曲がどんな結果を残すのか分からなくなってきました。
Danne Stråhedのエントリー楽曲も手掛けるFredrik AnderssonとSamiraの共作となる今回のエントリー楽曲。前述の通り、過去にFrans「If I Were Sorry」で『Eurovision Song Contest 2016』も経験した彼とタッグを組み、初のMelodifestivalenに臨みます。
Alvaro Estrella「Suave」(4)
2020年、2021年に引き続き3年連続での出場となるAlvaro Estrella*39。彼とMelodifestivalenの縁は、彼がDanny Saucedo「Amazing」のバックダンサーを務めた2012年まで遡ります。翌々年の2014年には「Bedroom」でMelodifestivalenに初出場しましたが、惜しくも予選落ち。満を持して6年ぶりの出場となった2020年大会では、Mendezの「Vamos Amigos」で、客演ながら見事自身初の決勝進出を果たします。その後、2021年には「Bailá Bailá」で出場し、単独名義では初の決勝進出となりました。決勝では12組中10位とあまり成績が振るいませんでしたが、その後、この楽曲はスウェーデン国内チャートで8位を記録しゴールド認定を受けるなどのヒットとなりました。
チリにルーツを持つ彼は、「Vamos Amigos」や「Bailá Bailá」と言った曲名からも分かる通り、ラテンやトロピカル・ポップが得意分野。コロナ禍真っただ中で開催された『Melodifestivalen 2021』でもゴキゲンなトロピカル・ポップを披露し、視聴者を元気づけましたが、2022年の出場曲「Suave」がどんな曲になるのか今から楽しみです。
Browsing Collection「Face in the Crowd」(初)
こちらも初登場のBrowsing Collection。パンクロック~メタルのジャンルを得意とする4人組バンドです。昨年はLillasysterやMustaschなど、ほぼ毎年メタル要素を含むロックバンドが出場するMelodifestivalen。案外、メタルやパンクと言った音楽はポップスのメロディーの強さと親和性があるのかもしれません(2006年Eurovision優勝者Lordiなどは未だに高い人気を誇ります)。既に韓国でのツアー経験もあるという彼ら、アジア全域に人気が広がる日も近いかも。
2011年のEurovisionで優勝を飾ったアゼルバイジャン代表、Ell & Nikkiの「Running Scared」をはじめ、数々のEurovision関連楽曲を手掛けるSandra Bjurmanと、Agnes*40などの楽曲を手掛ける傍ら、自身もアーティストとしてアルバムリリース経験のあるJimmy Wahlsteenをソングライターとして起用。なんと彼は坂本真綾「幸せについて私が知っている5つの方法」でギターを担当しているそう(!)。
John Lundvik「Änglavakt」(3)
Robin Bengtssonに続いて、こちらもMelodifestivalen優勝経験者であるJohn Lundvikが登場。既にEurovisionの地を踏んだにも関わらず、再びMelodifestivalenに出場する太々しさ!Melodifestivalenでは毎年数組こういったアーティストが出場するのがある意味お決まりとなっている気がします。
元々は短距離走者として活躍していたという異例のキャリアの持ち主であるJohn Lundvik。『Melodifestivalen 2018』に出場したのち、翌年の『Melodifestivalen 2019』に「Too Late for Love」で出場、見事に優勝を果たし、その後の『Eurovision Song Contest 2019』では5位を記録。派手な演出抜きで歌唱力で勝負した結果の好成績でした。
多くのMelodifestivalenエントリー楽曲を手掛け*41、日本でもテゴマス「七夕祭り」をはじめ数々のジャニーズ関連楽曲や、Nissy「The Days」、Lead「Still」などの楽曲を担当してきたAnderz Wrethovなどが制作を担当。『Eurovision Song Contest 2020』にデンマーク代表として出場予定だったものの、新型コロナウイルス感染症の影響で大会自体が惜しくも中止となってしまったBen & Tanのメンバー、Benjamin Rosenbohmの名も。
Tone Sekelius「My Way」(初)
私が今回、Malou Prytzと共にかなり力を入れて推しているのがこのTone Sekelius(2組とも強力な対戦相手がいるのが不安材料ですが…)。彼女が今回出場したことに寄り、60年以上の歴史を誇るMelodifestivalenの歴史の中で、初めてトランスジェンダーのアーティストが出場することとなりました*42。
YouTuberとしての活動が主であり、登録者数は日本の10分の1ほどの人口のスウェーデンにおいて30万人超。2022年1月現在で、スウェーデン国内で28番目に登録者数が多いYouTuberとして人気を博しています*43。
歌手活動も以前よりしており、上の動画は「Stockholm Pride 2017」でパフォーマンスしたときのもの。『Melodifestivalen 2021』ではオープンリー・ゲイのアーティストであるPatrik Jeanが非常にクィアなパフォーマンスを行いましたが、今回のTone Sekeliusのパフォーマンスはどんなものになるのか、そしてMelodifestivalenがこれからも世界中のクィア・コミュニティーにとって毎年の楽しみであり続けることに期待しています。
Semi-final 3(2022年2月19日)
Cazzi Opeia「I Can't Get Enough」(初)
Semi-final 3の初めを飾るのは、主にダンスミュージック系の歌手として活動してきたCazzi Opeia。近年はK-Popのソングライターとして大成功を収めています。
今まで手掛けてきたアーティストは大物揃いで、BTS*44やTWICE*45、Red Velvet*46、ENHYPEN*47、TOMORROW X TOGETHER*48、Stray Kids*49、ITZY*50、NCT Dream*51、WayV*52、LOONA*53等々、誰もが知るアーティストばかり。
ソングライター陣にはCazzi Opeia本人のほか、一昨年・昨年とMelodifestivalenに出場したPaul Reyのほか、ダンスミュージックデュオRebootsとして活躍するJakob Redtzerの名前も。RedtzerはHanna Ferm*54の楽曲のほか、Lillasysterによる『Melodifestivalen 2021』出場曲「Pretender」も担当しています。K-Popアーティストへの楽曲提供を経ての久々の本人名義の楽曲、非常に気になります。
また、彼女については私が友人のソータと行っているPodcast『カツヤとソータのConfessions on a Podcast』でも触れているので、お時間がありましたら是非こちらもチェックをお願いします。
Lancelot「Lyckligt slut」(初)
Semi-final 3のHot Guy枠は彼で決まり。サッカー選手の父Magnus Hedmanとモデルであり、歌手としても活動経験のある母Magdalena Graafの間に生まれた彼は、2019年にデュオLance & Lintonのメンバーとして音楽活動を開始。ダンスミュージックを基調としたティーンポップソングが売りの彼らは「Sunshine」や「Best Time’s Right Now」などのヒット曲で知られています。2021年からはソロ活動を開始、アコースティックなスウェーデン語楽曲にジャンルをシフトチェンジしました。
なんだかドキッとするタイトルですが、これは日本語で「ハッピーエンディング」という意味だそう。『Melodifestivalen 2021』エントリー楽曲のKlara Hammarström「Beat Of Broken Hearts」の他、Anna Bergendahl「Home」、Westlife「Do You Ever Think Of Me」、Loreen「Sötvattentårar」など多くの楽曲を手掛けるNiklas Carson MattssonがLancelotと共作した今作。どんな楽曲に仕上がっているのか注目です。
Lisa Miskovsky「Best to Come」(2)
2012年大会以来、10年ぶりにMelodifestivalenの舞台にカムバックするのLisa Miskovsky。ポップパンク調の「Driving One of Your Cars」で2001年にデビューして以来、ポップロック歌手として人気を博してきました。世界的にはアクションゲーム『ミラーズエッジ』のテーマソング「Still Alive」を担当したことで知られ、この楽曲はイギリスやアメリカのチャートにもランクインするなど、自身の代表曲となりました。
そんな彼女がClara Klingenströmによるロック回帰の波を受けてか、Melodifestivalenにカムバック。『Melodifestivalen 2012』で披露した「Why Start A Fire」の神秘的なパフォーマンスは個人的にもかなり好きなMelodifestivalen楽曲の一つ(いかにも北欧っぽくて気に入られる方も多いのではと勝手に予想)。
今回のエントリー楽曲「Best to Come」は、Robin Bengtssonの出場曲も手掛けるDavid Lindgren Zachariasとの共作。彼は先述の通りClara Klingenström「Behöver Inte Dig Idag」を手掛けており、前年の影響が色濃く見られます。
Tribe Friday「Shut Me Up」(初)
しゃがれ声にゴシック系のメイク、かなり見覚えのあるスタイルですが、一旦そちらは無視して紹介に移ります。
昨年のEurovision優勝者であり、今や飛ぶ鳥を落とす勢いのMåneskinほどのハードさはなく、むしろ耳障りのよいエモ、ダンスポップなどの要素を湛えた楽曲を得意とする彼ら。Spotifyの公式プレイリストを見ると、メンバーそれぞれが違った趣向の音楽を好んでいる様子。どことなく飛び道具的な立ち位置なのは否定できませんが、ジャンルの垣根を飛び越えた楽曲を作り出す彼らがどんな楽曲で私たちをタイトル通り黙らせてくれるのでしょうか。
Faith Kakembo「Freedom」(2)
「いい曲なんだけど、Melodifestivalenに出すには弱すぎる!」な楽曲「Crying Rivers」で『Melodifestivalen 2020』に出場し、惜しくも予選敗退となったFaith Kakemboが、満を持してカムバック。Semi-final 3ではCazzi Opeia、Lisa Miskovsky、そしてFaith Kakemboの3組をプッシュしていきたい所存です。
麻酔専門看護師でもあるという彼女なので、元々ヒーリング音楽的な楽曲を好む傾向があるのかもしれませんが(関係ある?)、今回のタイトルは「Freedom」。壮大なバラードも、アッパーチューンもあり得るタイトルです。
前回はJörgen ElofssonやLiz Rodriguesといった世界を股にかけて活躍するソングライターに楽曲提供を受けた彼女ですが、今回はAnderz WrethovやPalle Hammarlund*55、Laurell Barker*56といったMelodifestivalenを知り尽くした強力な3人組がバックアップ。
Linda Bengtzing「Fyrfaldigt hurra!」(8)
Shirley Clamp超え、8回目の出場となるLinda Bengtzing(ここまで来たら10回の大台を目指してほしい)。ミュージカル女優としても活動する彼女の『Melodifestivalen 2020』以来のエントリー楽曲「Fyrfaldigt hurra!」のソングライター陣には、なんとスウェーデン国内で今最も注目されている新人と言っても過言ではないMyra Granbergが名を連ねています。同じく制作を担当するThomas G:sonは「King of Melodifestivalen」なソングライターで、Melodifestivalen優勝曲を過去に3曲*57も手掛けている人物。
(↑とにかくエネルギーが凄い2020年のパフォーマンス)
Anders Bagge「Bigger Than the Universe」(初)
今回もLIAMOOやLisa Ajaxなどの出身者が出場しているオーディション番組『Swedish Idol』。その審査員を長らく務めていることでも知られているのがこのAnders Baggeです。
長らくソングライターとして活動してきたBagge。Madonna*58やCeline Dion*59、Janet Jackson*60、Robyn*61、Jennifer Lopez*62など錚々たるメンバーの楽曲を手掛けています。なんとその中には日本人アーティストも含まれ、倖田來未*63、AI*64、DOUBLE*65、露崎春女*66、谷村奈南*67など、2000年代のJ-R&Bアーティストたちを裏で支えてきました。Eurovision関連の提供アーティストでは、Melodifestivalen常連のCarola*68やMåns Zelmerlöw*69などの楽曲を手掛けてきたほか、2010年と2012年にはアゼルバイジャンのエントリー楽曲を手掛けるなど、Eurovisionとは既に長い縁があり、今回満を持しての初出場となります。
『Swedish Idol』の出演により既にお茶の間では知られた存在であるBagge。彼がシンガーとしても注目を集めたのが、2021年3月に放送された『Masked Singer Sverige』。それまで歌唱力を披露することの少なかったBaggeのパフォーマンスは大いに評価され、4位の好成績で番組を終えました。初出場ながら既に国内では抜群の知名度を誇る存在として、視聴者投票でどれだけの票を獲得するのかも注目です。
Semi-final 4(2022年2月26日)
Anna Bergendahl「Higher Power」(4)
Melodifestivalenファンはもちろんのこと、Eurovisionファンにとってもお馴染みの存在であるAnna Bergendahl。『Eurovision Song Contest 2010』にスウェーデン代表として「This Is My Life」で出場しますが、なんとEurovisionの長い歴史の中で、スウェーデン代表として初めて決勝進出を逃すという不名誉な結果に終わってしまったのでした*70。
その後、2019年大会に「Ashes to Ashes」でMelodifestivalenへカムバックし、「Kingdom Comes」で出場した翌年大会では、The MamasとDotterの接戦により存在感は薄れてしまったものの、3位の好成績を記録しました。
前回から2年ぶりとなる出場。タイトルから既に「高まり」を感じ得ずにはいられません。出場も4度目になり既にMelodifestivalenの常連となりつつある彼女、今回の出場で存在感を示し、CarolaやCharlotte Perrelli、Jessica Anderssonなどに続く「Melodifestivalen名物DIVA」の仲間入りを果たせるかも見所ですね。
Lillasyster「Till Our Days Are Over」(2)
Rihanna「Umbrella」のカバーで一躍有名となったハードロックバンドという謎の経歴を持つLillasyster。初出場となった『Melodifestivalen 2021』から2年連続の出場となりました。
昨年大会出場時、失礼にも「ハードロック枠か…」と個人的にはあまり期待していなかったアクトだったのですが、哀しげな雰囲気から一気にハードな展開に移行するところ、照明や炎を効果的に用いた演出、そして1番と2番で一気に様変わりするコーラスなどなど、バンドの狙い通りのポイントに見事やられてしまったのでした。
現在はニューアルバムに向けてシングルも2枚発表している彼ら。2曲とも激しいハードロック楽曲ですが、今回のエントリー楽曲ではどう出るのか注目です。
Malin Christin「Synd om dig」(初)
Melodifestivalen初出場ながら、実は『Eurovision Song Contest 2021』におけるファン・フェイバリットの1曲である、マルタ代表のDestiny「Je me casse」のソングライターとしてEurovisionを経験しているMalin Christin。アーティストとしても、今回Linda Bengtzingに楽曲提供している人気シンガーMyra Granbergや『Swedish Idol』出身のWilliam Segerdahlらと共演しています。
昨年10月には初となるEP作品『Kär i kärleken』を発表。R&Bの要素も取り入れた、少しダークなポップソングが並ぶ良作です。英訳すると「Sorry for you」となる今回の楽曲はいったいどんな楽曲に仕上がっているのでしょうか。
Tenori「La Stella」(初)
世界的な知名度を誇るIl Voloから、あのGreta Thunbergの母親としても知られるMalena Ernmanまで、数々のポップオペラソングが披露されてきたEurovision。
今回の『Melodifestivalen 2022』に初出場するのは、イギリス人テノール歌手Alexander Groveとスウェーデン人テノール歌手Kalle Leanderがタッグを組んだTenori。
そんな二人をバックアップするのが強力なソングライターたち。多くのMelodifestivalenエントリー楽曲を手がけ、Eurovisionも5回*71経験しているBobby Ljunggrenに加え、多くの国内No.1楽曲を手掛けてきた大御所Dan Sundquist、90年代から現在までMelodifestivalen関連楽曲*72などを多く手掛けるMarcos Ubeda、そしてティーンポップからバラードまで幅広い音楽を手がけ、Melodifestivalen出場曲*73も担当した経験を持つKristian Lagerströmなど、新旧のトップソングライターたちが彼らを支えます。
Medina「In i dimman」(初)
LIAMOOのエントリー曲も手掛けるヒップホップデュオのMedina。アーティストとしてもソングライターとしても、Eurovision出場のチャンスが2回あるアクトになります。
1曲のダブルプラチナムソングと1曲のゴールドソングを持つ人気者である2人。メンバーのSam-Eは、昨年大会『Melodifestivalen 2021』にSAMIとして、WAHLのエントリー楽曲「90-talet」に客演参加した経験も持ち、彼にとっては2年連続のMelodifestivalen出場となります。「90-talet」は予選敗退とはなったものの、親しみやすいメロディーで国内チャートで13位のスマッシュヒットとなりました。
Angelino「The End」(初)
今回一番のダークホースと言っても過言ではない、このAngelino。今年4月にデビューEP『Livingroom Sessions』をリリースしたばかりの新人ですが、「Cooler Than Me」のヒットで知られるリトアニア人DJ、Lucky Lukeの楽曲「With Or Without Me」にも客演として参加するなど、徐々に活動を拡げている模様。
そんなまだまだ未知数な彼をバックアップするのが強力なソングライター陣。中でも、特にMelanie WehbeとThomas Stengaardは、MelodifestivalenやEurovisionでも大きな功績を上げている二人。Wehbeは『Melodifestivalen 2021』に出場したPatrik Jeanとの親交が深く、彼の出場曲「Tears Run Dry」を手掛けたのはもちろんのこと、2020年大会で優勝を勝ち取ったThe Mamasの「Move」などのMelodifestivalen関連楽曲を手掛けています(そのほか、あのStepsの楽曲「Victorious」も担当!*74)。そしてStengaardは、なんと『Eurovision Song Contest 2013』で優勝を果たしたEmmelie de Forestの「Only Teardrops」を手掛けたほか、『Eurovision Song Contest 2021』で好成績を残したSenhitの「Adrenalina」とElena Tsagrinouの「El Diablo」のソングライターとしてクレジットされています。
「The End」と題されたこの楽曲。どんなポップソングなのか、そしてAngeloがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から待ちきれません
Klara Hammarström「Run to the Hills」(3)
「3年連続出場はできない」というMelodifestivalenの暗黙のルールを笑顔で無視しに行くDIVA、Klara Hammarströmが2020年、2021年大会に引き続き3度目の出場*75。『Familjen Hammarström』という彼女の一家を追ったリアリティ番組で一躍有名となった彼女。馬術選手としても活動していた*76経歴を持ちます。
過去2回の出場では全く違う毛色の楽曲でエントリーした彼女でしたが、順位は大きく上げ、『Melodifestivalen 2021』では6位を記録。個人的には2020年リリースの「DNA」がお気に入り。2021年エントリー曲「Beat of Broken Hearts」で見せたトンチキ衣装と壮大な演出を以って、弱冠21歳でDIVAの片鱗を見せています。
2022年に入って早速LIAMOOと共に「2022年北京オリンピック」スウェーデン公式ソング「Guld, svett & tårar」*77を手掛けるなど精力的な活動を行っている彼女。今回の出場曲「Run to the Hills」はAnderz WrethovやJimmy Thörnfeldtといったヒットメーカーを携え臨みます。]
おわりに・視聴方法など
ということで全出場アーティスト28組を一気に紹介してまいりました。全文読んだ方はまずいらっしゃらないであろうというほどの情報量ですが、お気に入りのアーティストを見つけるため、各予選を見る前の予習として、決勝前のおさらいとして、各々色々な楽しみ方をして頂けたら幸いです。
こちらは昨年の記事からのコピペになってしまうのですが、最後にMelodifestivalenの視聴方法(大事!)や、情報収集方法をご紹介。
もしこの記事を読んで一緒に『Melodifestivalen 2022』を観てくださる人がいらっしゃれば嬉しく思います。各予選の日本時間は下記を参照。時差により日本時間では早朝になってしまいますが、オンデマンドでの視聴も例年は可能です。視聴はMelodifestivalenを放送するテレビ局、SVTのウェブサイトからどうぞ。
- 第1予選:2月6日(日) - 4:00~5:30(日本時間)
- 第2予選:2月13日(日) - 4:00~5:30(日本時間)
- 第3予選:2月20日(日) - 4:00~5:30(日本時間)
- 第4予選:2月27日(日) - 4:00~5:30(日本時間)
- 敗者復活戦:3月6日(日) - 4:00~5:30(日本時間)
- 決勝戦: 3月13日(日) - 4:00~6:00(日本時間)
どの予選にどのアーティストが出場するのかは、英語のページにはなってしまいますが、こちらで確認することができます。また、私を含めスウェーデン語がさっぱり分からない人たちのために、Melodifestivalenの情報をアップデートしてくれるSNSアカウントやサイトがいくつかあります。Twitterの@Melodifestivalen (en)はその名の通り、Melodifestivalenの情報を英語でツイートしてくれる公式アカウント。そのほかにも、スカンディナヴィア半島のポップミュージック情報を主に発信するScandipopというサイトでも情報は見られますし、Eurovision全体の情報サイトとして圧倒的な情報量を誇るWiwibloggsも要チェックです。
また、昨年収録したものにはなりますが、友人ソータとのPodcast「カツヤとソータのConfessions on a Podcast」でも約20分でMelodifestivalenについての魅力を語ってみました。もしお時間が許せば、ぜひこちらもチェックしてみてください。
それでは、この記事があなたのMelodifestivalenライフのきっかけとなりますように!
*1:BBC「Sweden's Melfest: Why a national Eurovision show won global fans」
*2:Wiwibloggs「“If there’s something I’m afraid of, it’s not being able to sing” — Tusse opens up about surgery in new SVT documentary」
*3:ESCXTRA「Tusse and SVT respond to racist abuse following first rehearsal」
*4:BBC「Eurovision 2021: Tusse - from child refugee to Swedish pop star」
*5:「Behöver inte dig idag」は国内Sverigetopplistanチャート3位、プラチナム認定、「Bailá Bailá」は同8位、ゴールド認定
*6:Instagram・@themamas.se「So honoured to announce that our song “Let It Be” was featured on last night’s episode of American Idol!🥰🥰🥰 Congratulations to our amazing songwriters @melaniewehbe , @patrikjean and @hermangardarfve ! The power of 3x3, y’all! 🥳🥳🥳」
*7:Christer Björkmanは1992年、1993年、1999年と出場、「I morgon är en annan dag」で出場した1992年大会では優勝し、『Eurovision Song Contest 1992』にも出場。Oscar Ziaは2014年、2016年と出場。2013年にもBehrang Miriの客演として、The MamasのメンバーLoulou Lamotteと共に「Jalla Dansa Sawa」で出場。
*8:Anis Don Deminaは2019年、2020年と出場。2018年大会にはSamir & Viktor「Shuffla」のパフォーマンスでサクソフォン奏者として登場。
*9:Twitter・@melfest_en「Dear #Melfest friends, in consideration of the new restrictions in Sweden, we are looking into our options regarding audience together with our collaborators. We will let you know as soon as a decision has been made♥」
*11:「Breakaway」「Somebody Loves Somebody」
*12:Yohio「Heartbreak Hotel」、Boris René「Put Your Love On Me」「Her Kiss」、Ellen Benediktson「Songbird」、Molly Pettersson Hammar「I'll Be Fine」など
*13:『Melodifestivalen 2021』にはゲスト司会の一人として登場
*17:オーディション番組『Swedish Idol』出身者のErik Segerstedt、Mattias Andréasson、Danny Saucedoによる3人組。それぞれがソロ名義でMelodifestivalenに出場した経験も持ち、特にDanny Saucedoは『Melodifestivalen 2021』にも出場。日本デビュー経験も持つ。
*20:「Ta Mig Tillbaka」「Tvillingen」「Göteborg」「Finns inga ord」「Identitetslös」など
*21:「Behöver Inte Dig Idag」「Liv」「Sommarminnen」
*22:「Vice」「Broken Melody」「Speak Love」など
*24:「Innan du lämnar mig」「En jul med dig」「Det vänder nu」
*25:2019年、2020年とMelodifestivalenに出場。スウェーデン語楽曲「För evigt」が昨年ヒットした私の推しの1人。
*27:Elena Tsagrinou「El Diablo」
*28:Senhit「Adrealina (featuring Flo Rida)」
*32:「Say Jambo」「Lovin'」「Maraca」
*34:「Move To Miami (featuring Pitbull)」
*35:「Messin' Around (featuring Enrique Iglesias)」「Superstar (featuring Becky G)」「YAYO (with Papayo and Ky-Mani Marley」など
*37:「Papi」「Se Acabó el Amor (with Abraham Mateo, Yandel)」「Invading My Mind」など
*38:「ガラガラ Go!!」「Tell Me Goodbye」「オラYeah!」のほかG-DRAGONソロなど多数
*41:Frida「Upp O Hoppa (featuring Headline)」、Behrang Miri「Jalla Dansa Sawa」、Ellen Benediktson「Insomnia」、Samir & Viktor「Bada Nakna」、David Lindgren「We Are Your Tomorrow」、Margaret「Tempo」、John Lundvik「Too Late For Love」、Tusse「Voices」など多数
*42:Aftonbladet「Tone Sekelius blir första transperson i Mello」
*43:HypeAuditor「Top 1000 YouTube Channels In Sweden」
*44:「We Are Bulletproof : the Eternal」
*45:「Dancing the Night Away」「Hot」「Shot Clock」など
*46:「Psycho」「Peek-A-Boo」「Pose」など
*47:「Tamed-Dashed」「Given-Taken」「Blessed-Cursed」
*48:「LO$ER=LO♡ER」「Blue Orangeade」「Wishlist」など
*50:「ICY」「Be in Love」「Tennis」など
*55:
Dolly Style「Habibi」「Hello Hi」、Mendez「Everyday」「Vamos amigos (featuring Alvaro Estrella)」、Mohombi「Winners」、Klara Hammarström「Nobody」など
*56:Elena Tsagrinou「El Diablo」、Margaret「Tempo」、S!sters「Sister」、Alicja「Empires」、TWICE「Bring It Back」など
*57:Friends「Listen To Your Heartbeat」、Carola「Invincible」、Loreen「Euphoria」
*59:「Have You Ever Been In Love」「Sorry For Love」「Shadow of Love」など
*60:「All Nite (Don't Stop)」「Slolove」
*61:「Here We Go」「Where Did Our Love Go」「Good Thang」
*66:「Feel So Real」「End of Eternity」
*67:「Noisy」「No Music, No Goodies」
*68:「Believe」「Regnet Som Faller」
*70:2021年大会まででスウェーデンがEurovision決勝進出を逃したのはこの楽曲のみ
*71:Jan Johansen「Se på mig」、Jill Johnson「Kärleken är」、Carola「Invincible」、Charlotte Perrelli「Hero」、Anna Bergendahl「This Is My Life」
*72:Charlotte Perrelli「Take Me To Your Heaven」、Afro-Dite「Never Let It Go」、Andreas Johnson「We Can Work It Out」、Shirley Clamp「Burning Alive」など
*73:Brandur「Lullaby」、Anna Bergendahl「This Is My Life」、Timoteij「Stormande Hav」など
*75:過去にShirley Clampなども3回連続出場経験を持つ
*76:つまりTomomi Kahala OR Klara Hammarströmということ
*77:日本語に訳すと「金、汗、涙」←DIVA
2021年読んだ本
2021年のまとめ第1弾。今年は意識的に本を沢山読みました。就職活動や卒論執筆などがあった中でもそれなりに読めたと思う。古本市への出店などを通して、本を介した人とのつながりも得ることができた、より読書が好きになった1年でした。(雑な振り返り)
- 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福(上)』(Sapiens: A Brief History of Humankind)ユヴァル・ノア・ハラリ(著) / 柴田裕之(訳)/ 河出書房新社
- 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福(下)』(Sapiens: A Brief History of Humankind)ユヴァル・ノア・ハラリ(著) / 柴田裕之(訳)/ 河出書房新社
- 『大丈夫マン』藤岡拓太郎 / ナナロク社
- 『本当はちがうんだ日記』穂村弘 / 集英社
- 『N・P』吉本ばなな / KADOKAWA
- 『赤い長靴』江國香織 / 文藝春秋
- 『短歌ください』穂村弘 / KADOKAWA
- 『かもめのジョナサン 完成版』(Jonathan Livingston Seagull)リチャード・バック(著)/ 五木寛之(訳)/ 新潮社
- 『冷静と情熱のあいだ (Rosso)』江國香織 / KADOKAWA
- 『ヒロインズ』(Heroines)ケイト・ザンブレノ(著)/ 西山敦子(訳)/ C.I.P. Books
- 『きらきらひかる』江國香織 / 新潮社
- 『かわいいウルフ』小澤みゆき(編)/ 亜紀書房
- 『自分ひとりの部屋』(A Room of One’s Own)ヴァージニア・ウルフ(著)/ 片山亜紀(訳)/ 平凡社
- 『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』大前粟生 / 河出書房新社
- 『最初の悪い男』(The First Bad Man)ミランダ・ジュライ(著)/ 岸本佐知子(訳)/ 新潮社
- 『絶叫委員会』穂村弘 / 筑摩書房
- 『男も女もみんなフェミニストでなきゃ』(We Should All Be Feminists)チママンダ・ンゴズィ・アディーチェ(著)/ くぼたのぞみ(訳)/ 河出書房新社
- 『わかりやすさの罪』武田砂鉄 / 朝日新聞出版
- 『っぽい』(ish)ピーター・レイノルズ(文・絵)/ なかがわちひろ(訳)/ 主婦の友社
- 『もうおうちへかえりましょう』穂村弘 / 小学館
-
『才女の運命 男たちの名声の陰で』(Das Schicksal der begabten Frau: im Schatten berühmter Männer)インゲ・シュテファン(著)/ 松永美穂(訳)/ フィルムアート社
- 『断片的なものの社会学』岸政彦 / 朝日出版社
- 『クローディアの秘密』(From the Mixed-Up Files of Mrs. Basil E. Frankweiler)E・L・カニグズバーグ(著)/ 松永ふみ子(訳)/ 岩波書店
- 『MONKEY vol. 23 特集 ここにいいものがある。―岸本佐知子+柴田元幸 短篇競訳―』柴田元幸(編)/ スイッチパブリッシング
- 『相模原事件とヘイトクライム』保坂展人 / 岩波書店
- 『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹 / 柏書房
- 『青い眼がほしい』(The Bluest Eye)トニ・モリスン(著)/ 大社淑子(訳)/ 早川書房
- 『現実入門 ― ほんとにみんなこんなことを?』穂村弘 / 光文社
- 『馬馬虎虎 vol.1 気づけば台湾』檀上遼
- 『ぬるい眠り』江國香織 / 新潮社
- 『ユリイカ2021年8月号 特集=台湾映画の現在』青土社
- 『整形前夜』穂村弘 / 講談社
-
『台湾 四百年の歴史と展望』伊藤潔 / 中央公論新社
- 『時をかけるゆとり』朝井リョウ / 文藝春秋
- 『へたも絵のうち』熊谷守一 / 平凡社
- 『玄関の覗き穴から差してくる光のように生まれたはずだ』木下龍也、岡野大嗣 / ナナロク社
- 『点から線へ―トランスジェンダーの“いま”を越えて 映画『片袖の魚』より』旅と思索社
- 『短歌ください 明日でイエスは2010才篇』穂村弘 / KADOKAWA
- 『アサイラム・ピース』(Asylum Piece)アンナ・カヴァン(著)/ 山田和子(訳)/ 筑摩書房
- 『掃除婦のための手引き書』(A Manual for Cleaning Ladies)ルシア・ベルリン(著)/ 岸本佐知子(訳)/ 講談社
-
『さよなら・再見』(莎喲娜啦.再見)黄春明(著)/ 田中宏、福田桂二(訳)/ めこん
- 『首里の馬』高山羽根子 / 新潮社
- 『人類学者、台湾映画を観る―魏徳聖三部作『海角七号』・『セデック・バレ』・『KANO』の考察』沼崎一郎 / 風響社
- 『卵の緒』瀬尾まいこ / 新潮社
- 『ライオンのおやつ』小川糸 / ポプラ社
- 『Three of Us――緊急事態宣言の未読既読』植本一子・蛭田竜太・ミヤギフトシ
- 『侯孝賢と私の台湾ニューシネマ』朱天文(著)/ 樋口裕子、小坂史子(編・訳)/ 竹書房
セットで読んだパンフレット:『HHH: 侯孝賢 デジタルリマスター版』パンフレット / オリオフィルムズ - 『砂漠が街に入りこんだ日』グカ・ハン(著)/ 原正人(訳)/ リトルモア
- 『ほとんど記憶のない女』リディア・デイヴィス(著)/ 岸本佐知子(訳)/ 白水社
- 『彗星の孤独』寺尾紗穂 / スタンド・ブックス
- 『フェミニズムはみんなのもの』ベル・フックス(著)/ 堀田碧(訳)/ 新水社
- 『愛と差別と友情とLGBTQ+ 言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』北丸雄二 / 人々舎
- 『はじめての沖縄』岸政彦 / 新曜社
- 『女の園の星(1)』和山やま / 祥伝社
- 『おばちゃんたちのいるところ』(Where The Wild Ladies Are)松田青子 / 中央公論新社
- 『台湾の若者を知りたい』水野俊平 / 岩波書店
- 『私のポジションー「沖縄×アメリカ」ルーツを生きる』東江亜季子(著)/ 琉球新報社(編)/ 琉球新報社
2021年のすきなあれこれ
こんにちは。早いもので今年も残すところあと約2週間。まだまだ新型コロナウイルスに苦しめられる日々ではありますが、それぞれができる方法で、コンテンツに助けられながら毎日を楽しんでいるかと思います。久々の更新となってはしまいましたが、今回の記事では「2021年のすきなあれこれ」と題して、今年の好きな音楽や映画、本についてご紹介。ぜひご覧いただくとともに、年末年始の音楽鑑賞や映画鑑賞、読書のご参考にして頂けたら嬉しく思います。
音楽の分野に関しては、友人のソータとやっているPodcast「カツヤとソータのConfessions on a Podcast」でも「楽曲&EP編」と「アルバム編」の二つに分けて公開していますので、併せてこちらも聞いていただけると嬉しいです。
音楽
楽曲(100曲)
(※集計対象作品:2020年12月1日~2021年11月30日にリリースされたもの)
- Cassandra Jenkins「Hard Drive」(Ba Da Bing!)
- Tove Styrke「Mood Swings」(Sony)
- butaji「RIGHT TIME」(SPACE SHOWER)
- Bren Joy「Fiji Fine」(Human Re Source/Warner)
-
Le Makeup & Ryan Hemsworth「Moon Hit」(Pure Voyage)
- Lake Street Dive「Know That I Know」(Nonesuch/WEA)
- 三浦透子「通過点」(Universal)
- Sigrid「Mirror」(Universal/Island)
- 向井太一「Love Is Life」(TOY'S FACTORY)
- Silk Sonic「Leave the Door Open」(Aftermath/Atlantic)
- 折坂悠太「炎 (featuting Sam Gendel)」(Less+Project)
- Michaela Jaé「Something To Say」(Access)
- 宇多田ヒカル「PINK BLOOD」(Sony)
- SOPHIE「BIPP (Autechre Mx)」(Numbers)
- Lydia Ainsworth「Cosmic Dust」
- Sunni Colón「Provide」(TETSU)
- 1010 Benja SL「Dobby 21」(Three Six Zero/Sony)
- a子「somewhere」(londog)
- Charli XCX「Good Ones」(Asylum/Warner)
- Official髭男dism「Universe」(Pony Canyon)
- Holly Humberstone「The Walls Are Way Too Thin」(Polydor/Darkroom/Interscope)
- Daya「Bad Girl」(Sandlot/AWAL)
- Ralph「Tommy」(Rich Man)
- リ・ファンデ「ドレス」
- Isac Elliot「Waving At Cars」(Island)
- 柴田聡子「雑感」(IDEAL/AWDR/LR2)
- Gallant「Comeback.」(EMPIRE)
- BTS「Butter」(Big Hit/Sony)
- iri「はじまりの日」(Victor)
- Patrik Jean「Tears Run Dry」
- MONKEY MAJIK & 瑛人「Believe」(A.S.A.B/binyl)
- Jordan Rakei「What We Call Life」(Ninja Tune)
- Greyson Chance「Hellboy」(GCM/Arista)
- Maika Loubte &Ryan Hemsworth「System」(Water)
- SEVENTEEN「Rock with You」(PLEDIS)
- 中村佳穂「アイミル」(SPACE SHOWE)
- Troye Sivan「Angel Baby」(Universal/EMI)
- Tinashe「Bouncin」(Tinashe Music)
- Hiatus Kaiyote「Get Sun (featuring Arthur Verocai)」(Brainfeeder)
- ASTRO「Waterfall」(Fantagio)
- Cautious Clay「Roots」
- Kim Petras「Future Starts Now」(Amigo/Republic)
- Phangs & Phoebe Ryan「Product of the 90s」
- Kara Marni「Trippin」(Access)
- Slayyyter「Troubled Paradise」(FADER)
- serpentwithfeet「Same Size Shoe」(Secretly Canadian)
- Laura Mvula「Church Girl」(Warner/Atlantic/Flamingo)
- Peach Tree Rascals「Change My Mind」(Homemade/10K Projects)
- TENDRE「PIECE」(Universal/EMI)
- Eric Saade「Like U Used To」(Warner)
- 氷川きよし「Happy!」(Nippon Columbia)
- Years & Years「Starstruck」(Universal/Polydor)
- Jessie Ware「Hot N Heavy」(Universal/A PMR/EMI)
- Avril Lavigne「Bite Me」(DTA/Elektra)
- Dijon「Many Times」(Dark Green/R&R/Warner)
- Erika de Casier「Drama」(4AD)
- Julien Baker「Hardline」(Matador)
- Yola「Dancing Away in Tears」(Easy Eye Sound)
- スピッツ「大好物」(Universal)
- Wave Racer「Left Behind」(Astral People)
- EXO「Runaway」(SM Entertainment)
- Billie Eilish「Your Power」(Darkroom/Interscope)
- Cwondo「Twwen」(Tugboat)
- 槇原敬之「悲しみは悲しみのままで」(WORDS & MUSIC)
- ZIN & A.G.O「On My Shoulder」
- No Rome, Charli XCX & The 1975「Spinning」(Dirty Hit)
- LAUREL「You’re The One」(Communion)
- Magdalena Bay「Secrets (Your Fire)」(Luminelle)
- カネコアヤノ「抱擁」(1994)
- Elena Tsagrinou「El Diablo」(Panik)
- joan「something special」(Photo Finish)
- Doss「Puppy」(LuckyMe)
- Jungle「Keep Moving」(Caiola)
- Alfie Templeman「Wait, I Lied」(Chess Club)
- 阿部芙蓉美「Soda」
- odol「未来」(UK/HIP LAND)
- Hope Tala「Tiptoeing」(Universal/A PMR/EMI)
- KID FRESINO「Rondo」(Dogear/AWDR/LR2)
- Agnes「24 Hours」(Senga/Universal)
- Doja Cat「Kiss Me More (featuring SZA)」(Kemosabe/RCA)
- VINCINT「Kill My Heart (featuring Parson James & Qveen Herby)」
- JO1「Born To Be Wild」(LAPONE)
- 100 gecs「mememe」(Dog Show)
- Caroline Polachek「Bunny Is A Rider」(Perpetual Novice)
- 藤井風「きらり」(Universal/HEHN)
- Adele「Easy On Me」(Melted Stone/Columbia)
- girl in red「Setoronin」(world in red/AWAL)
- aespa「Lucid Dream」(SM Entertainment)
- Shygirl「Cleo」(Because Music)
- Katy B「Open Wound (featuring Jaz Karis)」(Rinse)
- YeYe & BASI「おとな」(RALLYE/SPACE SHOWER)
- Japanese Breakfast「Be Sweet」(Dead Oceans)
- Jenevieve「Résumé」(Joyface)
- ELIO「CHARGER (featuring Charli XCX)」(Asylum/Warner)
- Normani「Wild Side (featuring Cardi B)」(Keep Cool/RCA)
- MORISAKI WIN「Me, Myself and I」(Nippon Columbia)
- L'Rain「Two Face」(Mexican Summer)
- Victoria Monét「Coastin'」(Tribe)
- BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE「Animal」(avex)
- ゆっきゅん「DIVA ME (ウ山あまね reMEx)」(GUILTY_KYUN)
Billboardに倣ってBubbling Under Hot 100と称して、100位以内に収めきれなかった25曲を追加でプレイリストとして公開しました。ちょっとずるいですが、取捨選択が苦手な自分の逃げ道として用意してみました。
アルバム(50枚)
(※集計対象作品:2020年12月1日~2021年11月30日にリリースされたもの)
- Cassandra Jenkins『An Overview on Phenomenal Nature』(Ba Da Bing!)
- butaji『RIGHT TIME』(SPACE SHOWER)
- Silk Sonic『An Evening With Silk Sonic』(Aftermath/Atlantic)
- Magdalena Bay『Mercurial World』(Luminelle)
- 折坂悠太『心理』(Less+Project)
- Alfie Templeman『Forever Isn't Long Enough』(Chess Club)
- 冬にわかれて『タンデム』(こほろぎ舎)
- Tinashe『333』(Tinashe Music)
- Maika Loubté『Lucid Dreaming』(Water)
- Kacy Hill『Simple, Sweet, and Smiling』
- Official髭男dism『Editorial』(Pony Canyon)
- Jenevieve『Division』(Joyface)
- Dijon『Absolutely』(Dark Green/R&R/Warner)
- PinkPantheress『to hell with it』(Parlophone)
- Jordan Rakei『What We Call Life』(Ninja Tune)
- Zara Larsson『Poster Girl』(TEN/Epic)
- serpentwithfeet『DEACON』(Secretly Canadian)
- odol『はためき』(UK/HIP LAND)
- Agnes『Magic Sill Exists』(Senga/Universal)
- Billie Eilish『Happier Than Ever』(Darkroom/Interscope)
- 安藤裕子『Kongtong Recordings』(Pony Canyon)
- KID FRESINO『20, Stop it.』(Dogear/AWDR/LR2)
- Slayyyter『Troubled Paradise』(FADER)
- Julien Baker『Little Oblivions』(Matador)
- Erika de Casier『Sensational』(4AD)
- Puma Blue『In Praise of Shadows』(Blue Flower/[PIAS])
- CHAI『WINK』(Sony)
- Lana Del Rey『Chemtrails Over The Country Club』(Polydor/Interscope)
- Hiatus Kaiyote『Mood Valiant』(Brainfeeder)
- Lydia Ainsworth『Sparkles & Debris』
- Perfume Genius『IMMEDIATELY Remixes』(Matador)
- Yerin Baek『tellusaboutyourself』(Blue Vinyl)
- Iglooghost『Lei Line Eon』(Gloo)
- Japanese Breakfast『Jubilee』(Dead Oceans)
- Arlo Parks『Collapsed in Sunbeams』(Transgressive)
- Joyce Wrice『Overgrown』
- Lady Gaga『Dawn of Chromatica』(Interscope)
- 槇原敬之『宜候』(WORDS & MUSIC)
- VINCINT『There Will Be Tears』
- Cautious Clay『Deadpan Love』
- ミツメ『VI』
- Yung Kiss『Z-POP』(2021survive)
- Alicia Keys『ALICIA』(RCA)
- Sega Bodega『Romeo』(NUXXE)
- Rejjie Snow『Baw Baw Black Sheep』(300 Entertainment)
- aiko『どうしたって伝えられないから』(Pony Canyon)
- Cleo Sol『Mother』(Forever Living Originals)
- Margo Cilker『Pohorylle』(Fluffs and Gravy)
- 平井堅『あなたになりたかった』(Ariola)
- YeYe『おとな』(RALLYE/SPACE SHOWER)
番外編:倉木麻衣『unconditional L♡VE』(Northern Music)
EP(15枚)
(※集計対象作品:2020年12月1日~2021年11月30日にリリースされたもの)
- 折坂悠太『朝顔』(Less+Project)
- ASTRO『SWITCH ON』(Fantagio)
- Gallant『Neptune』(EMPIRE)
- Ralph『Gradience』(Rich Man)
- aespa『Savage』(SM Entertainment)
- ZIN『GINGER』
- Katy B『Peace And Offerings』(Rinse)
- EXO『DON'T FIGHT THE FEELING』(SM Entertainment)
- joan『hi』(Photo Finish)
- 小袋成彬『Strides』(Sony)
- Holly Humberstone『The Walls Are Way Too Thin』(Polydor/Darkroom/Interscope)
- Hyd『Hyd』(PC Music)
- Peach Tree Rascals『Camp Nowhere』(Homemade/10K Projects)
- WOODZ『ONLY LOVES LEFT』(YUEHUA)
- Rebecca Black『Rebecca Black Was Here』
Non-2021 Songs(25曲)
2021年になって初めて知った曲や、久しぶりに聴くようになった楽曲から25曲を選びました(上半期に選んだ倉木麻衣「always」は「やっぱりずっと聴いてただろう」ということで対象外としました)。
- SIRUP「Your Love」(A.S.A.B/Suppage)
- 陳昊森「刻在我心底的名字(Your Name Engraved Herein)」(HIM)
- Solange「Losing You」(Terrible)
- 中孝介「種をまく日々」(Sony)
- The Band CAMINO「2/14」
- aryy(non-albini)& LIL SOFT TENNIS「Kyoto」
- LINION「Oh Girl」(嘿黑豹/B.P Lin Studio)
- 椎名林檎「あおぞら」(Universal)
- The Flying Pickets「Only You」(Virgin)
- Paris Hilton「Stars Are Blind」(Warner)
- 高爾宣 OSN「So Bad」(SKR)
- Genevieve Stokes「Morning Dove」
- Prince「I Wanna Be Your Lover」(Warner)
- 中森明菜「BABYLON (Re-Mix Long Version)」(Warner)
- 元ちとせ「語り継ぐこと」(Sony)
- Pale Waves「Change」(Dirty Hit)
- ICONIQ「BYE NOW!」(avex)
- FlowBack「taste」(Sony)
- 一青窈「愛と誠のファンタジア」(EMI/Universal)
- Grace Jones「I'm Not Perfect (But I'm Perfect for You)」(Manhattan)
- Jamila Woods「Lonely (featuring Lorine Chia)」(Jagjaguwar)
- TRESOR「Dancing with the Moon」(Jacquel)
- Dirty Projectors「On the Breeze」(Domino)
- Poolside & Panama「Can't Stop Lovin'」(Pacific Standard)
- りょう「ベラドンナ」(Warner)
映画
映画(10作)
(※対象作品:2020年12月1日~2021年11月30日に日本初公開されたもの)
- 『草の響き』(The Sound of Grass)/ 斎藤久志(JPN・2021)
- 『アメリカン・ユートピア』(American Utopia)/ スパイク・リー(2020・US)
- 『あのこは貴族』(Aristocrats)/ 岨手由貴子(2021・JPN)
- 『弱くて強い女たち』(孤味; Little Big Women)/ シュー・チェンチエ(許承傑)(2020・TW)
- 『最後の決闘裁判』(The Last Duel)/ リドリー・スコット(UK/US・2021)
- 『サマーフィルムにのって』(It's a Summer Film)/ 松本壮史(2021・JPN)
- 『アイダよ、何処へ?』(Quo Vadis, Aida?)/ ヤスミラ・ジュバニッチ(2020・BIH)
- 『返校 言葉が消えた日』(返校; Detention)/ 徐漢強(2019・TW)
- 『ノマドランド』(Nomadland)/ クロエ・ジャオ(USA・2021)
- 『Rocks/ロックス』(Rocks)/ サラ・ガヴロン(2019・UK)
Non-2021 Films(30作)
2021年初めて鑑賞した映画作品の中で、2021年以前に日本公開された映画から30作を選びました。
- 『悲情城市』(A City of Sadness)/ 侯孝賢(TWN・1989)
- 『天使の涙』(堕落天使; Fallen Angels)/ ウォン・カーウァイ(1995・HK)
- 『詩人の恋』(시인의 사랑; The Poet and the Boy)/ キム・ヤンヒ(2017・KOR)
- 『君の心に刻んだ名前』(刻在你心底的名字; Your Name Engraved Herein)/ 柳廣輝(2020・TW)
- 『ハッシュ!』(Hush!)/ 橋口亮輔(2001・JPN)
- 『リトル・ダンサー』(Billy Elliot)/ スティーブン・ダルドリー(2000・UK)
- 『タンズ・タンタイド』(Tongues Untied)/ マーロン・リグス(1989・US)
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『トゥルーマン・ショー』(The Truman Show)/ ピーター・ウィアー(1998・US)
- 『パーフェクトブルー』(PERFECT BLUE)/ 今敏(1997・JPN)
- 『友だちのうちはどこ?』(خانه دوست کجاست; Where Is the Friend's Home?)/ アッバス・キアロスタミ(IRA・1987)
- 『スパイの妻 劇場版』(Wife of a Spy)/ 黒沢清(2020・JPN)
- 『GF*BF』(女朋友。男朋友)/ ヤン・ヤーチェ(2012・TWN)
- 『サイダーハウス・ルール』(The Cider House Rules)/ ラッセ・ハルストレム(1999・US)
- 『その街のこども 劇場版』(The Town's Children)/ 井上剛(2011・JPN)
- 『ミッドサマー』(Midsommar)/ アリ・アスター(2019・US/SWE)
- 『牯嶺街少年殺人事件』(牯嶺街少年殺人事件; A Brighter Summer Day)/ 楊徳昌(1991・TW)
- 『ブエノスアイレス』(春光乍洩; Happy Together)/ ウォン・カーウァイ(1997・HK)
- 『フランシス・ハ』(Frances Ha)/ ノア・バームバック(2012・US)
- 『ブラック・スワン』(Black Swan)/ ダーレン・アロノフスキー(2010・US)
- 『マルコヴィッチの穴』(Being John Malkovich)/ スパイク・ジョーンズ(1999・US)
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『セルロイド・クローゼット』(The Celluloid Closet)/ ロブ・エプスタイン&ジェフリー・フリードマン(1995・US)
- 『私たちの青春、台湾』(我們的青春,在台灣; Our Youth in Taiwan)/ 傅榆(TWN・2019)
- 『幸福路のチー』(幸福路上; On Happiness Road)/ ソン・シンイン(2017・TW)
- 『恐怖分子』(恐怖份子; Terrorizers)/ 楊徳昌(1986・TWN)
- 『ブリグズビー・ベア』(Brigsby Bear)/ デイヴ・マッカリー(USA・2017)
- 『ウィッカーマン』(The Wicker Man)/ ロビン・ハーディ(UK・1973)
- 『幸福 しあわせ』(Le Bonheur; Happiness)/ アニエス・ヴァルダ(1965・FRA)
- 『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』(Booksmart)/ オリヴィア・ワイルド(2019・US)
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『二十才の微熱』(A Touch of Fever)/ 橋口亮輔(1993・JPN)
本(20冊)
2021年(12月16日まで)に読んだ本から、お気に入りの20冊を選びました。順不同です。
- 『彗星の孤独』寺尾紗穂 / スタンド・ブックス
- 『断片的なものの社会学』岸政彦 / 朝日出版社
- 『まとまらない言葉を生きる』荒井裕樹 / 柏書房
- 『青い眼がほしい』(The Bluest Eye)トニ・モリスン(著)/ 大社淑子(訳)/ 早川書房
- 『馬馬虎虎 vol.1 気づけば台湾』檀上遼
- 『ユリイカ2021年8月号 特集=台湾映画の現在』青土社
- 『アサイラム・ピース』(Asylum Piece)アンナ・カヴァン(著)/ 山田和子(訳)/ ちくま文庫
- 『掃除婦のための手引き書』(A Manual for Cleaning Ladies)ルシア・ベルリン(著)/ 岸本佐知子(訳)/ 講談社
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『さよなら・再見』(莎喲娜啦.再見)黄春明(著)/ 田中宏、福田桂二(訳)/ めこん
- 『ライオンのおやつ』小川糸 / ポプラ社
- 『最初の悪い男』(The First Bad Man)ミランダ・ジュライ(著)/ 岸本佐知子(訳)/ 新潮社
- 『大丈夫マン』藤岡拓太郎 / ナナロク社
- 『かもめのジョナサン 完成版』(Jonathan Livingston Seagull)リチャード・バック(著)/ 五木寛之(訳)/ 新潮社
- 『愛と差別と友情とLGBTQ+ 言葉で闘うアメリカの記録と内在する私たちの正体』(Love, Discrimination, Friendship and LGBTQ+: The History of the Battles for Human Rights, and the Search for Our Truth)北丸雄二 / 人々舎
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『才女の運命 男たちの名声の陰で』(Das Schicksal der begabten Frau: im Schatten berühmter Männer)インゲ・シュテファン(著)/ 松永美穂(訳)/ フィルムアート社
- 『N・P』吉本ばなな / KADOKAWA
- 『短歌ください 明日でイエスは2010才篇』穂村弘 / 角川文庫
- 『自分ひとりの部屋』(A Room of One’s Own)ヴァージニア・ウルフ(著)/ 片山亜紀(訳)/ 平凡社
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『台湾 四百年の歴史と展望』伊藤潔 / 中公新書
今年は新型コロナウイルスの影響でいわゆる「自粛期間」があったこと、そして春以降、就職活動がひと段落したことなどから、様々なコンテンツを楽しむ時間が今までよりも増えた気がします。「春から社会人になったら時間が無くなるかも」という焦りも手伝って、例年と比べてもかなり多くの映画作品や文学作品を楽しみました。このすべてが、とは言いませんが、少しでも自分の将来の糧になるといいなと思います。
好きな楽曲とアルバムの1位に選んだCassandra Jenkinsは、Twitterでどなたかが触れていたことでたまたま聴く機会を得たアーティストでした。普段ならばなかなか聴かないジャンルだったのですが、結果として今年一番のお気に入りに。出会っていないだけで実は大好きな音楽がまだまだあるのかも、と思わされる出会いでした。
今年は昨年に比べてブログ更新がかなり滞り気味だったことがひとつ反省点。感染症が落ち着いてきた今年後半は何か所か旅行にも繰り出すことができたので、そちらもまた折に触れてブログに書けたらなと思っています。
それでは、ひとまず皆さま、よいお年を!