ザ・ライフ・オブ・ワタシ

平凡の中の華やかを

butaji「秘匿」

ここ数ヶ月、butajiの「秘匿」という曲を繰り返し聴いている。

告白

告白

 

butaji(ぶたじ)は東京を中心に活動する藤原幹によるソロプロジェクト。なぜ彼のことを知ったのか全く覚えていないが、恐らくTwitterのタイムライン上か何かであろう。SNS万歳。

この楽曲が収録されたアルバム『告白』はリリース当初からよく聴いていたが、先日漸く彼のインタビューを読み、「秘匿」が一橋大学ロースクールでのアウティング事件に影響されて書かれたものだと知った。

それ以来、何度聴いても十分な冷静をもってこの曲を聴くことができない。よい音楽が必ずしも感情を動かすものである必要はないけれど、この曲はその両方を兼ね備えている。シンプルな音とともに、悲しみと怒り、混乱が聴き手に押し寄せる。

社会から拒絶されることを知っていながらも、湧き出る気持ちは止められない。その感情を押し付け、時に眠りすら損ないながらも、自分を潰してゆく。それはどこまでも果てしなく、辛い作業だ。

その過程の中で、butajiは自らの思いを

馬鹿らしい

真面目に取り合えない

とすら形容してしまう。この二行に込められた失望と諦念は、私たちの想像を遥かに超えるものなのだろう。中村 中の「友達の詩」が祈りの歌ならば、butajiの「秘匿」は絶望の歌なのかもしれない。

この国は未だにホモセクシュアルに対しての理解を大きく欠いている。極端なコメディか極端なメロドラマのどちらかに昇華することで、何とか存在を容認されているような気がしている。ローマ法王の言っていた「LGBTは一過性のブーム」という言葉も、あながち間違いではないのかもしれない。

今までApple Musicでずっと聴いていたこのアルバムだったが、先日友人から2か月越しの誕生日プレゼントということでCDを買ってもらった。大切にする。